子どもができても「自己研鑽」を求めないで
――ところで、投稿者に同情、あるいは共感する意見がほとんどないのですが、投稿者には擁護するに値する面はないのでしょうか?
川上さん「投稿者さんの悩みは、夫に期待しているからこそ生まれる悩みではないでしょうか。良い意味で自分の感情に正直な人だと思います。それは、今後の夫婦関係をさらに良いものにしていく上で、大いにプラスだと思います。むしろ、自分の本当の感情を包み隠したり、無理に誤魔化したりするほうが問題です。前に進めなくなってしまうからです。
投稿者さんが、自分の正直な感情に素直に目を向けられていることについて、私は支持します」
――川上さんなら投稿者にどんなアドバイスをしますか?
川上さん「人には良い面も、そうでない面もあります。いま投稿者さんには夫のマイナス面しか見えづらくなっているのかもしれません。しかし、いま見えている夫の姿がすべてではないはずです。気持ちが落ち着いてくれば、改めて見えてくる良い面もきっとあるはずです。だから、いまの感情だけで早まった判断はなさらないでいただきたいと思います。
また、グータラだからと言って、夫を追い詰めないでいただきたい。まずは夫の言い分も聞いてみて、夫の中の価値観を覗いてみてはいかがでしょうか。気になるのは、投稿者さんにお子さんが生まれた時のことです。自己研鑽しない夫のグータラぶりに怒る厳しさが、お子さんにも向かってしまうかもしれません。
夫はまだ対等な立場ですが、子どもは弱い立場で、良くも悪くも親の目を気にして育ちます。投稿者さんの中にある他者への厳しさが、知らず知らずのうちに子どもを追い込んでしまうようなことにならないよう、くれぐれも気を付けていただきたいと思います」
(福田和郎)