「休日、夫が家でグータラしてばかりで自己研鑽をしません。このままでは出世に響きます」
というシッカリ者の妻の投稿が大炎上している。
妻は自分でも資格勉強や読書が大好きなので、ビジネス書も読もうとしない「ダメ夫」に不満を募らせているのだ。
「あなた、何様のつもりですか」
「鬼嫁ですか」
と反発の声が圧倒的だが...。専門家に聞いた。
「じつは働く主婦層には向上心が高い人が非常に多い」
J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルグループの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、今回の「グータラ夫が自己研鑽をしません」という投稿をめぐる話題について意見を求めた。
――私自身ずっと何十年も休日はグータラしてきましたし、妻は仕事のためにいろいろ色々な資格の勉強をしていました。かといって「自己研鑽をしろ」と言われたことはありませんが、身につまされる投稿です(笑)。回答者たちの意見を読んで、率直にどのような感想を持ちましたか。
川上敬太郎さん「私も根っこからグータラです(笑)。それはさておき、投稿者さんは社会人4年目で、結婚してからの年数もまだ長くはないのだとしたら、夫婦として生活を共にし、共に過ごす時間が積み重なってきたからこそ見えてきた悩みなのではないかと思いました。結婚生活が長くなるにつれ、多かれ少なかれどなたでも近い経験をするものなのではないでしょうか」
――回答者の意見を見ると、圧倒的に多くの人が「あなたは何様のつもりですか」と投稿者を非難している人が多いです。
川上さん「回答者の年齢構成はわかりかねますが、どちらかというと人生の先輩としてアドバイスされている方が多いように思いました。結婚生活が長い方には、投稿者さんの考え方がどこか幼く映っているように感じます」
――投稿者は夫に「自己研鑽しようとする態度が見られない」と呆れていますが、自己研鑽をしている人はそんなに多いのでしょうか? 資格試験の勉強やキャリアアップのための勉強などに関する調査をしたことがありますか?
川上さん「資格取得や勉強に関する調査も行ったことがありますが、取得したい資格や勉強したい内容は人それぞれ異なります。じつは働く主婦層には向上心が高い方が非常に多いのです。投稿者さんもその一人なのでしょう。そこで紹介したいのが、働く主婦層に対して行った『すきま時間の使い方に対する意識調査』です。
『日々のすきま時間を有効に使えると人生の豊かさは変わる』と思うかという問いに対し『思う』という人が9割近くもいました。実際に実践している人も多く、フリーコメントでも『毎日10分でも勉強を続けられたら1年後は大きく違ってくる』とか『人生3倍楽しくなる』とか、読んでいるこちらまで元気になる内容が多いです。
ただ、自己研鑽しない夫のグータラぶりが気になる投稿者さんにとって、すきま時間に対する夫との意識の違いが、違和感を引き起こす原因の一つになっている可能性はあるように思います」