新型コロナウイルスの感染予防策として広がる「新しい生活様式」で、通販やデリバリー、テイクアウトがトレンドになっている。
それに合わせて消費者の金銭感覚にも変化が生じており、30代と40代では、1年前と比べて小遣いの額や貯蓄額が大きく増えていることが、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の調査でわかった。
「30代・40代の金銭感覚についての意識調査」
調査によると、30代、40代の男女1000人に、毎月自由に使えるお金はいくらあるか聞いたところ、「1万円以下」が30.4%で最多。2位以下に「2万円超~3万円以下」(18.5%)、「1万円超~2万円以下」(16.6%)、「4万円超~5万円以下」(14.6%)と続いた。
「10万円超」が2.1%、「0円」も6.4%あった。平均額は3万192円だった。
前回(2019年12月)の調査では、毎月自由に使えるお金の平均額は2万6885円で、今回と比べて3307円増えた。年代別にみると、30代では、2万6684円から3万940円と4256円増。40代では、2万7085円から2万9444円と2359円アップした。
「コロナ禍で生活様式が一変し、お小遣い事情に変化があったという人が多いのではないか」
と、SMBCコンシューマーファイナンスは分析している。
貯蓄状況についても大きな変化があった。
今回の調査では、貯蓄額が「50万円以下」の人が23.8%で最も多く、次いで「0円」(16.7%)だった。3位以下は、「50万円超~100万円以下」(12.3%)、「500万円超~1000万円以下」(12.2%)、「1000万円超」(12.1%)と続き、いずれも前回を上回った。調整平均は283万円で、前回の192万円から、じつに91万円も増えた=下図参照。
年代別にみると、30代では前回の183万円から230万円と47万円の増加。40代では、202万円から364万円と162万円の大幅な増加となった。
同社は、「コロナ禍のテレワーク・外出自粛による必要費用の減少や、10万円の特別定額給付金の受給、景気に対する先行き不安を受けた貯蓄志向の高まりなどの影響で、結果的に貯蓄が増えたという人が多いのでは」とみている。