「デジタル」の楽天と「リアル」の郵政が資本業務提携 「ベストカップル」の評価高いがそんなにオイシイ話なのか?

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楽天の年3兆円の物販配送を日本郵便が一手に!?

   郵政との提携には、資金面だけでない携帯電話事業をテコ入れする狙いがある。全国2万4000の郵便局の屋上に基地局を設置できるほか、郵便局内に特設ブースなどを置いてオンライン申し込みを受け付けることなどを想定している。

   楽天の販売店は現在200店だが、2000店を超える大手3社の10倍の販売網を一気に手にする格好だ。楽天の顧客はインターネットを使いこなす若者が中心だが、高年齢層に強い郵便局での販促で顧客層を拡大することも期待できる。

   もちろん、郵政の物流網が本業のネット通販の大きな力になるのは間違いない。「ヤフー」を展開するZホールディングス(HD)と通信アプリ大手LINEの経営統合が3月1日に完了して誕生した新生ZHDに売上高で肉薄されたところだけに、「リアル」な郵政の物流網を確保することは、ZHDなどライバルとの競争上有利になるだろう。

   一方、郵政側には、楽天の物販(年間3兆円規模)の宅配を優先的に引き受けるのが大きな狙いだ。同時に、増田社長は「デジタル技術で有為な人材を楽天から受け入れる」とも表明した。DX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術による業務やビジネスの変革)で一日の長がある楽天の力を借り、郵便・物流、金融のデジタル化に取り組もうというのだ。

   そこには、かんぽ不正販売問題の後始末に追われ、前向きな取り組みができなかった状況を打開するきっかけにしたいとの思惑もうかがえる。

   このほか、両社の物流関連データの共有化、共同物流拠点の開設などによるコスト削減も進める。また、金融分野の業務提携も進める方針で、三木谷氏は「スーパーアプリも含めて検討したい」と言及した。

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