「努力義務」の70歳雇用、課題多く
さらに、改正高年齢者雇用安定法に基づき、今年4月から新たに努力義務となる「70歳までの就業機会の確保」への対応について聞いたところ、「70歳までの継続雇用制度の導入」を予定している企業は、25.4%となった(複数回答)。加えて、「もともと70歳まで働ける制度がある」が16.4%。半面、「(現時点で)対応は考えていない」は32.4%、「わからない」は14.9%で、対応を決めかねている様子もうかがえた。
企業からは、
「技術の伝承という観点から継続雇用をしている」(ニット・レース染色整理、福井県)
「働けるうちは何歳でも雇用していくというモットーにより 70 歳以上の社員も元気に働いている」(石油卸売、兵庫県)
など、前向きな声がある一方で、
「マッチングが非常に難しく断念している」(ソフト受託開発、富山県)
「ドライバーという職種柄、高年齢者の雇用は安全の根幹である認知、判断、動作の基本操作への影響が表れる可能性があるので、どうしても年齢の引き上げには慎重にならざるを得ない」(一般貨物自動車運送、群馬県)
「高齢者にとって体力的に厳しい業種なので希望が少ない」(各種食料品小売、岐阜県)
「業種や業態にもよりさまざまであり、ひと括りに70歳までの就業機会を確保するのは厳しいのではないか」(和洋紙卸売、茨城県)
といった、さまざまな課題を指摘する声が多くあがった。
シニア層の雇用が進むことで、「会社の新陳代謝が悪くなる」「若手社員を採用しにくくなる」との「後ろ向き」な声もチラつく。