チーム育成も地域との連携も「強化する」
観客席のシートバリエーションを多彩にしてさまざまな楽しみ方をできるようにしたほか、飲食エリアを充実させ、子ども用のミニ遊園地を建設。ドーム前広場を刷新し、西武球場前駅前にメーンゲートを設置。その傍らで咆哮する全長約7メートルの白い巨大なライオンのオブジェ「SPIRIT of KING」が、ボールパークの誕生を印象づける。
改修工事は「チーム育成の強化」も目的。トレーニングセンター(室内練習場)、若獅子寮(若手選手寮)、二軍用のCAR3219(カーミニーク)フィールド(第2球場)などの建て替えを含め、総額180億円が投じられた。米大リーグではマイナーは別組織であり、NPBでも一軍と二軍が共に練習する施設は珍しいという。
後藤オーナーは「だれもがエンジョイできる球場ができた。小さいお子さんは観戦以外でも楽しめる。遊具は試合のない日にも使えるように考えている」と、でき栄えに満足した様子。「性別、年代を問わずあらゆる世代の方にプロ野球やコンサートなど、あらゆるイベントを楽しんでいただける」と胸を張った。
また、辻発彦監督は「昨年はリーグ3連覇を逃し悔しい思いをした。新メットライフドーム元年に日本一を目指したい」と宣言。3月26日の公式戦開幕日は新球場にオリックスを迎え撃つ。
西武ライオンズがボールパーク化を推し進める、もう一つの理由に球場周辺地域の活性化がある。少子高齢化が進むなか、1か所でさまざまなレジャーを楽しめるようにすれば、集客率を高めることができる。
この春に完成する「西武園ゆうえんち」のバリューアップ、2020年代半ばに予定されている所沢駅周辺の再開発と連携した、相乗効果を狙っている。西武ホールディングス社長であり、西武鉄道会長でもある後藤オーナーは、
「所沢市が東京のベッドタウンから、生活する、学ぶ、働くという、リビングタウンに大きく変貌することを期待している」
と、声を強めた。