「カタい」けれど興味深い 理工学書の世界【Vol.22 明倫館書店】

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   靖国通りは平日も人が多く、どの書店の店先にも真剣な眼差しでワゴンから本を探す人の姿が見られる。明倫館書店もその一つ。白いビルの前ではサラリーマンや学生風の人々が本を吟味している。

   明倫館書店は理工書の専門店である。理数系と縁遠い私にとって、敷居が高く思えて身構えてしまう。「難しい話題になったらどうしよう」と若干の緊張感を持ちながら、店主の平尾浩一郎さんに話を聞いた。

明倫館書店の店主、平尾浩一郎さんは幼少期を古書に囲まれて過ごした
明倫館書店の店主、平尾浩一郎さんは幼少期を古書に囲まれて過ごした

親子三代、創業以来ずうっと理工学書を専門

「祖父、父と続いて私で3代目です。創業以来、ずうっと理工書を専門にしています。神保町で実店舗を持っている理工学専門の書店は今ではほとんどなくなってしまいました」

   平尾浩一郎さんは、そう話す。

   物心ついた頃から古書に囲まれた幼少期を過ごした。大学を卒業後、会社勤めを経て明倫館書店で古書販売の世界へ。

「大学は理系ではなく、専門的な知識はありません。販売しているから内容がわかるってわけではないんです」

と、浩一郎さんは笑う。

   あくまで本のプロとして、「質の良い商品を扱うこと」を目標に専門書と向き合い続けているという。

1階には理学系の本を置いている
1階には理学系の本を置いている
なかざわ とも
なかざわ とも
イラストレーター
2016年3月学習院大学文学部卒。セツモードセミナーを経て桑沢デザイン研究所に入学、18年3月卒業。趣味は、宝塚歌劇団、落語、深夜ラジオ、旅行。学生時代より神保町に惹かれ、現在フリーペーパー「おさんぽ神保町」の表紙や本文のイラストを手掛けている。1994年、東京都生まれ。
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