メーガン妃とハリー王子は「わざとやっている!」
インタビュー放映直後は王室擁護の論調が目立っていた英国でしたが、時が経つにつれて「人種差別反対運動」への広がりを見せています。メーガン妃に対して否定的なコメントをした著名テレビ司会者が突然番組を降板して世間を驚かせたり、タブロイド紙のジャーナリストが辞職に追い込まれたりしています。
また、カナダやオーストラリアといったイギリス連邦に属する国々では、「英王室の人種差別は許せない」「直ちに連邦から脱退せよ!」といった感情的な意見がSNSをにぎわせています。メーガン妃と英王室との確執は、ゴシップから社会問題に発展してしまったようです。
そんななか、英タブロイド紙のサンが、メーガン妃サイドの「メディア介入」を暴露するスクープを放ち、新たな火種となっています。
Meghan and Prince Harry are facing a mounting backlash for telling the BBC how to report their tell-all interview
(メーガン妃とハリー王子は、暴露インタビューをどのように報じるべきかをBBCに告げていたことが明らかになり、炎上している)
face a backlash:反発に直面する
サン紙の報道によると、「暴露インタビュー」が英国で放映される直前に、メーガン妃とハリー王子の広報チームが英BBC放送に対して、インタビューを「impartial』(公平に)報じるようにわざわざ「警告」したそうですが、「白人の年配男性コメンテーターだけを使うな」といった具体的な指示もあったとか。これに対して、「ここは英国だ、中国じゃないぞ!」「ジャーナリズムに介入するな!」といった大反発がわき起こっているそうです。
今回の一連の「メーガン妃騒動」を、英BBC放送の王室ジャーナリストは「Harry and Meghan rattle monarchy's gilded cage」(ハリーとメーガンはわざと王室を怒らせている)と表していて、なんとなく「炎上商法」を連想させる意味深なタイトルです。
それでは、「今週のニュースな英語」は、「rattle someone's cage」(~をわざと怒らせる)を取り上げます。(かごをガタガタさせて)「誰かを怒らせる」「イライラさせる」といった意味で使います。
I don't want to rattle her cage
(彼女をあえて怒らせたくない)
I don't want to rattle her cage before meeting
(会議の前に、彼女をあえて怒らせたくない)
Who rattled his cage?
(誰が彼をイライラさせたの?)
怖いのは、世論は一瞬で風向きが変わりますし、メディアも一瞬で態度を豹変させることです。昨日の味方は今日の敵......。メディアや世論を「操る」のは不可能ですし、英王室を「人種差別問題」に引きずり込むのは危険すぎます。
メーガン妃とハリー王子夫妻がメディアや世論の本当の恐ろしさを知るのは、これからでしょうか。メディアに踊らされることなく、平穏な日々を取り戻して欲しいと願います。(井津川倫子)