変異ウイルスの拡大でコロナ禍の終息が見えないなか、「全国民一律の現金給付」の再支給を求める声が根強くある。
しかし、政府には応じる姿勢はまったくない。その代わりというわけではないが、まだ確定していないものの、困窮している「ふたり親世帯」に給付金を支給する動きがあるという。
いったい、なぜ子育て世帯だけなのか。独身者は困っていても「蚊帳の外」なのか......。ネットでは不満の声が起こっている。
「貧しくて結婚できない独身者が大勢いるのにね」
こうしたふたり親世帯への給付金提供や、若い女性の「生理の貧困」問題についてはネットでさまざまな意見が巻き起こっている。
性格困窮者への支援を続けるNPO法人ほっとプラス理事の藤田孝典・聖学院大学客員准教授は、こう投稿した。
「子育てしている困窮世帯限定の現金給付に賛成します。生活保護も特例貸付も家賃補助も受けられない困窮世帯が多いからです。その一方で、緊急事態宣言の延長で子育て世帯や低所得層に限らず、中間層も収入減少に苦しんでいます。米国のバイデン大統領は『中間層まで含んで救済するべきだ』として、追加の経済政策として年収7万5000ドル(約810万円)までの個人に現金給付をする措置をしました。所得制限をして給付するにしても、幅広い対象者に給付して中間層を支えています。日本でも低所得層、困窮世帯だけでなく、中間層が落ち込んでいかないためにも、現金給付策を実施するべきです」
ジャーナリスト(福祉・医療・労働)で、早稲田大研究所招聘研究員のなかのかおりさんも、こう指摘した。
「子育て家庭の中で線引きをせずに、また子育て家庭以外にも一律の給付が求められます。確かに子育て家庭はお金がかかります。ステイホームで食費が増え、新学期の準備もあります。でも子供をケアする保育園や学童保育、病院などで身を粉にして働いている人もいることを忘れてはいけません。子供支援も民間団体頼みで、ボランティアで頑張っている人たちがたくさんいます」
子育て世帯だけに出すのは不公平だ。独身世帯でも困窮している人がいる。平等に一律に出すべきだという声が非常に多かった。
「困窮しているのはみんな一緒であり、独身者も含めて一律で給付するべきだ。子育て家庭のために、税金で尻拭させられている独身者が可哀相」
「独身の納税者は諸々の税率の控除がなく、子供手当てなどの還元もありません。払う一方ですから割に合わないとは思います。独身の人は扶養がないし、手当もないから、多く税金を払っているのですよ!」
「貧しくて結婚できない独身者が大勢いるのにね。一方で、病気等で働けないとかの事情があるなら分かるけど、健康なのに定職つかずにプラプラしている低所得のふた親もいるよね。そんな人たちに支給されるとしたら納得がいかない」
「飲食店への協力金はどんなに格差があっても一律のくせに、国民に対してはしっかり振るいにかけるのは意味がわかりません。有事に公助してもらえないのに、何のための納税でしょう」
「フジテレビの記事には、新年度を控え、『文房具が買えない世帯も多い』として給付を求める声が上がっていた、とありますが、これは生活保護のレベルでは?」
また、「ひとり親」に対してもこんな羨望の声もあった。
「シングルマザーの知り合いは、親と一緒に住んでいるけど、世帯分離をしているからと、扶養手当なども満額もらっているし、ひとり親への給付金ももらっていました。かなり優遇されており、うらやましいです。うちは旦那がいても世帯年収が下がっているし、離婚したほうがいいやん?と思うほどです」