宣言解除の大阪で50人の変異株クラスター
変異ウイルスの国内の拡大状況はどうなっているのか――。朝日新聞(3月10日付)「変異株、21都府県で271人感染 1か月で4倍以上に」が、こう伝える。
「厚生労働省は3月10日、変異ウイルスについて3月9日時点で、21都府県で計271人の感染が確認されているとの調査結果をまとめた。1か月前から4倍以上に増えた。変異株は従来の株より感染力が強い可能性が指摘されている。内訳は、英国型が260人と96%を占め、南アフリカ型8人、ブラジル型が3人だった」
従来の新型コロナウイルスに比べて、イギリス型の感染力は約1.7倍、南アフリカ型は約1.5倍だが、ブラジル型は3倍で、ワクチンが効きにくいとされている。
都道府県別では、大阪が最多の62人(すべて英国型)。次いで埼玉41人(英国型40人、ブラジル型1人)、兵庫38人(すべて英国型)、新潟32人(同)、神奈川22人(英国型18人、南ア型4人)、京都19人(すべて英国型)、東京14人(同)と続く。
ほかに福島、茨城、栃木、群馬、千葉、石川、山梨、長野、岐阜、静岡、滋賀、岡山、広島、鹿児島の各県でも確認されている。これらの国内事例とは別に、空港検疫で74人(9日時点)の変異株感染が確認されている。
ただし、実際の変異ウイルスの拡大のスピードはもっと速い。変異ウイルスであるかどうかは、現在、自治体が新規感染者の5%から10%を目安に検体を抽出して調べている。各自治体からの報告を待って厚生労働省がまとめるため、公表が数日遅れるからだ。
厚生労働省の発表には出ていないが、3月10日には大阪府で50人もの変異ウイルス・クラスターが発生、広島県(13人)と北海道(13人)などでも初めて変異ウイルス感染者が発見された。