ソーシャルメディア・ソーシャルアプリ事業の株式会社ガイアックス(東京都千代田区)が、起業を目指す中学生に「投資」する。
同社は新規事業の創出や起業家の育成など支援するスタートアップスタジオを運営。その中で、中学生向けの起業家育成プログラム「ガイアックス特別ラボ起業ゼミ」(通年)を実施しており、自立型の教育に力を入れている中高一貫校のドルトン東京学園(東京都調布市)の生徒が考えた事業プランを約半年かけて検証してきた。
2021年3月7日に最終プレゼンテーションを実施。審査の結果、雨の日など客足が特に鈍っているタイミングで飲食店がクーポンを発行できる「リアルタイムクーポンアプリ」を考案した中等部2年生の堀内文翔さんに200万円を投資することを決めた。
「客足鈍い」雨の日などにクーポン発行のアプリ
今回の「起業ゼミ」は中学生を対象に、早期から起業を身近で考えてもらい、さまざまな考え方に触れながら自主的に学ぶ意義を知ってもらうことを目指して、ドルトン東京学園で初めて開講した。
中等部の生徒 16人(1、2年生)を対象に、2020年9月にスタート。教室とオンラインで、ビジネスアイデアの作成やインタビューを通したターゲット顧客の課題検証、検証費用調達や起業のためのプレゼンテーションの準備などを実践的に学んだ。
最終プレゼンに残ったのは、雨の日など客足が特に鈍っているタイミングで飲食店がクーポンを発行できる「リアルタイムクーポンアプリ」を考えた堀内文翔さん(中等部2年生)と、インターネット上で予約した服を駅構内などで試着してから買えるECサービスを考えた中等部1年生の中西亜里彩さん、SNSなどに投稿された写真に写るファッションやブランドを10代が参考にして簡単に購入できるサービスを考えた佐野青さん(1年生)の3人。この中から、「リアルタイムクーポンアプリ」の堀内文翔さんが選ばれた。
受賞の喜びを堀内さんは、
「自分の事業アイデアに投資が決まりとてもうれしいです。自分の考えた『リアルタイムクーポン』事業がどのくらい成長しそうかを考えるのは難しかったですが、今後それを考えることで周りからの信頼も勝ち取れるのではと思います。
起業ゼミでは毎回、気になったことをすぐに質問していましたし、大人とたくさんかかわることができ、学ぶことが多かったです」
と話した。
ガイアックスのスタートアップスタジオは、中学生以上の若手に特化。AirbnbやUberなどのシェアリングエコノミー(C to C)事業の分野で新しい未来を創りたい人を対象に、事業プランがまだ定まっていなくても、事業のアイデア探しから初期の事業検証、出資後の事業開発やエンジニアリング、バックオフィスなどを支援していくことで、初めての起業でも事業活動に取り組むことができるようにした。
これまで農業人材のシェアリングの株式会社シェアグリや、 あこがれのタレントからパーソナルビデオメッセージが届く株式会社オクリーなど、過去11件の創業を支援。約300 件のアドバイスをしてきた。