「ノンルーティン」のスキルを高めよう
そこで、やはり求められるのは「ノンルーティン」。AIではなく、人ができる仕事です。いわゆる専門性がある仕事です。専門性と聞いて思い浮かべるのは、技術職や研究職、士業やクリエイティブな職業だと思いますが、今から資格を取って専門性を高めようということではありません(仕事につながる資格は役立つので取得されることは賛成です)。
Mさんは新卒から営業職を続けてこられましたが、コミュニケーションはAIでは代替できないスキルです。
では、Mさんの場合、コミュニケーションスキルを高める、活用したいと考えた時に、何をしたらいいのでしょう――。
まずは、世の中の変化と自分の営業のスキルを照らし合わせてみましょう。そうすると、営業の中にもテクノロジーに任せてしまって自動化したほうがいいこと、人がもっと力を入れたほうがいいことがわかってくるかと思います。
たとえば、もともと電話でのアポイント獲得をやっていた人の仕事に、Webマーケティングを取り入れてアポイントを獲得していきます。そうすることで、契約率を上げるための部下の教育に力を注ぐこともできるようになります。
また、Mさんの営業のコミュニケーションスキルは、技術と現場をつなぐ架け橋役となり、そのためのコラボレーションスキルとして活用できるかもしれませんね。
このように、テクノロジーと共存した際に求められるスキルを探していきます。そして、足りない部分を補っていくのです。
この先、働く期間が延びていくにつれ、ますます働くシニアの割合が増していくことが明らかです。シニアが社会で生き残っていくためには、自分しかできない専門性とそれを活用していくポータブルスキルが必要といえそうです。
「ポータブルスキル」は「仕事の仕方」と「人との関わり方」のことで、社外での通用する能力を意味します。
ただ、Mさん。この先も変化は続きます。変化に対応ができるように、社内で新規プロジェクトが立ち上がったら参加してみるなど、積極的に変化の波に乗ってみましょう。(ひろ子ママ)