意識を相手に向けると緊張はしない
よくある悩みの一つに「緊張して笑顔ができない」というものがあります。たしかに、緊張していたら、笑顔をつくる余裕なんかありません。
西出さんは、
「意識が『自分』に向いている点が、大きな要因です。自分をよく見せようとしていたり、『失敗しないように話そう』『ちゃんとプレゼンしなければ』などと考えていたりするから、表情も硬くなってしまうのです。マナーの主語は常に『相手』です。『○○さんか求めているものを聞き出し、提供しよう』『○○さんに喜んでもらおう』と、意識を相手に向けてください」
と言います。
「『○○さん、今日は笑ってくれたら嬉しいなあ』と声に出してみるのもよいでしょう。こうした想いで相手に接していれば、あなたの表情は間違いなく魅力的なものになっているはずです。表情トレーニングは次のように練習してみましょう」
表情トレーニング(1)
最初に、鏡の前で、紙などで鼻から下を隠した状態にします。ふだんはなかなか意識しない目元の印象を客観的に捉えてみましょう。自身が思っているよりも無表情に感じるようであれば、初対面の人が同じ印象を抱いてしまう可能性があります。
表情トレーニング(2)
次に、好きなモノやシーンを想像し、目元だけで笑顔が伝わる表情を浮かべてみましょう。目が笑っていなくても口角を上げることはできますが、目が笑っていると、頬や口角も自然と上かっているはずです。これが魅力的な表情につながります。
マナーの本質を理解し実践した人たちは、上司やお客様たちに信頼される、優秀なビジネスパーソンへと成長していくと西出さんは言います。正しいマナーは、あなたの魅力を引き出し、成長への道しるべとなるはずです。(尾藤克之)