なぜ、このタイミングで「内部告発」されたのか?
異例中の異例とも言える「いじめ調査」の理由を、英王室は「very concerned」(とても憂慮)しており、「not tolerate bullying or harassment in the workplace」(職場でのいじめや嫌がらせを許さない)としていますが、この声明を文字どおり受け取っている人は少ないようです。
まず、疑わしいのが「絶妙」すぎるタイミングです。タイムズ紙によると、いじめが行われていたのは2018年のこと。当時は「隠蔽」されたとしても、なぜこのタイミングで「内部告発」したのか......。
告発した「元スタッフ」は、「メーガン妃夫妻が自分たちに都合が良いことばかりを語っている」ことや、ハリー王子を始めとする王宮スタッフの「いじめを隠そうとしたやり方」に危機感を抱いたことから、「タイムズ紙に接触してきた」とされています。
じつは、ハリー王子夫妻が王室離脱後初めてとなるインタビューがアメリカのテレビ局で放送される予定となっていて、注目を集めています。人気司会者のオプラ・ウィンフリー氏による2時間独占インタビュー特番で、2021年3月7日(米国時間)の放送前から、「かなり赤裸々な内容らしい」と話題になっています。
これまでさんざん、暴露本などで「好き勝手」に「言われ放題」だった英王室は、「もう、いいかげんにしろ!」と怒り心頭に違いありません! このタイミングで「元スタッフ」の証言が報じられたことに、「王室側の反撃だ」などと地元メディアが伝えていますが、確かに、 スクープ合戦に明け暮れるタブロイド紙ではなく、老舗タイムズ紙が舞台となっていることからも、「英王室陰謀説」はあながち間違いではなさそうです。
それでは、「今週のニュースな英語」は、「bully」(いじめ)に関わる表現を取り上げましょう。動詞でも名詞でもよく目にする単語です。
Do not bully a schoolmate.
(友達をいじめるな)
Do not bully the weak
(弱い者いじめをするな)
Beat up that bully
(あのいじめっ子をやっつけろ)
メーガン妃の広報担当者は、「いじめ隠蔽」報道は「完全に虚偽の話」だとの声明を発表しましたが、老舗メディアを巻き込んだ英王室との「戦い」は収まる気配がありません。
今回の英王室の「タイミング良すぎる対応」には、遠く離れた米国で好き勝手な行動に明け暮れるメーガン妃に対して、「あいつだけは絶対に許さない!」といった執念が潜んでいるようです。(井津川倫子)