飲食店の「一律1日6万円」の協力金が不公平すぎる
首都圏4都県の緊急事態宣言が延長された場合、こうした特に飲食業界に与える影響について、さまざまな意見が寄せられている。まず、飲食店関係者からは不安の声は――。
「私は個人飲食店経営者ですが、中学生と大学生の子がいます。国から営業、仕事そのものをするなと命令されているようなものです。もし協力金がなければ学費は払えなかったでしょう。その点は感謝しています。早く解除してほしいですが、解除後は感謝の意味を込めて、しばらくかなりのサービス価格で営業するつもりです」
「駅前で小さな居酒屋をやっている。今年1月中旬以降、まったく仕事をしていない。昨年の緊急事態宣言下では、ランチ、弁当販売と県からの協力金で乗り切ったが、年末にかけて再び売り上げが激減。今年1月、2度目の緊急事態宣言となり、時短営業を迫られた。小さな居酒屋にとって1日6万円の協力金はありがたい。通常は夕方4時から深夜2時までの営業で、売り上げは約8万円。居酒屋のコアタイムは『夜8時以降』で、売り上げの8割を占める。それが時短でまったくなくなったから店を開く意味がない。『無駄』どころか、人件費、水道光熱費、食材、酒代、氷代がかかり、『マイナス』になる。周りの店もどんどん休んでいる。この状態に慣れたら、むしろ宣言が解除になった時が心配だ」
「カウンター10席のラーメン屋を経営している。売り上げは昨年1月が450万円、今年1月が380万円でした。昨年の緊急事態宣言後はテイクアウトその他、いろいろ頑張って持続化給付金や家賃補助をもらわないですむ売り上げを確保した。時短要請でもスタッフの勤務時間が減らないよう、彼らにテイクアウトの充実、SNSでのPRに力を注いでもらっている。コロナ前に比べ利益は減ったが、生活ができなくなるほどではない。ぶっちゃけだが、1日6万円をもらっても自力で乗り越えられない飲食店は、もう仕方がないのでは。ラーメン屋以外のことはわかりませんが」
「東京で飲食店を経営しています。私はもう飲食に見切りをつけて業種変更に舵(かじ)を切りました。従業員を切らないために雇用調整金も活用させていただいています」
一方で、飲食店に対する「一律1日6万円」の協力金が不公平すぎるという指摘が多かった。
「近所にある狭いスナックのおばさまが大喜びしていました。緊急事態宣言前の売り上げはよくて一日2万円。月にすれば30万円から40万円程度で、そこから酒代、光熱費、家賃など差し引けば手取りは月10数万円ほど。少ない年金と合わせても生活は楽ではなかった。それが緊急事態宣言中は何もせずに一日6万円。ひと月20日で計算しても120万円が入ってくる。6倍の収入です! 一方、知り合いのレストラン経営者は1日6万円では店員たちの人件費にもならず、もう廃業だと追い詰められていました」
(福田和郎)