宣言解除の大阪の飲食店、もう感染防止を放棄
3月1日、緊急事態宣言がひと足早く解除された府県の飲食店では、「うれしい」どころか、別の悩みがあるようだ。「協力金」にどっぷりつかってきた反動が出ているのだ。読売新聞(3月2日付)「協力金ゼロ『きつい』店ガラガラ...解除初日の3府県、曇る店主の表情」が意外な表情を伝える。
「宣言が解除された関西や中部、福岡の6府県で3月1日、飲食店への営業時間の短縮要請が緩和された。要請に応じた飲食店には引き続き協力金が支給されるが、大半で減額され(大阪府では6万円が4万円)、要請が出ていない地域ではゼロとなる。宣言が解除されても、感染拡大前の状態にはほど遠く、多くの店主にとって不安を抱えたままの一歩となった」
堺市堺区のレストラン「ワインハウスK&K」の杉浦菊次店長は、たった1組しか客がいない店内を見渡し、表情を曇らせた。休業中も店の賃料は月数十万円かかり、府からの1日6万円の協力金でしのいでいた。しかし、協力金はゼロに。営業を再開すると、食材の調達費用もかかり、客足が戻らなければ店を開くだけ赤字となる。杉浦店長は、読売新聞の記者に、
「アルバイトの雇用をやめ、しばらく夫婦で切り盛りするが、協力金の打ち切りはきつい。日常が戻るまで少しでも行政に支援してほしい」
と訴えるのだった。
ネット上では、こんな様子も報告されている。
「昨夜、久しぶりに吹田市の飲食店に行ったら、緊急事態宣言中は、入り口にアルコール消毒や、カウンターのアクリルボードがあったのに、もうなくなっていた」
まだ宣言が続く東京都内にはこんなところもある。
「浅草の繁華街の店の多くは、緊急事態宣言中でも遮蔽板もない。目の前の人とは50~60センチ程度の隙間しかないし、週末は大混雑しているよ。もちろん、夜遅くまでやっている。でも一切マスコミは取材しないね」
だが、多くの店はこんな工夫で乗り切っているところが多いようだ。
「私は花屋です。元から売り上げは少ないですが、コロナによって卒業式や歓送迎会、各種イベント、パーティー用の注文はほぼ皆無になりました。しかし、巣ごもり需要を見込んで仏様関連や、家庭用花壇の生け込み用などで簡単に楽しんでもらおうと、単価が安い色々な花を売ったりしています。おかげで、むしろ例年よりも売り上げが上がっていますよ。これからは家庭菜園の時期なので野菜苗なんかは売れますね。ちなみに、去年の野菜苗の売れ方は尋常ではなかったです。皆さん小さいながらも、家庭菜園始めたのですね」
(福田和郎)