新型コロナウイルスの感染拡大にともない首都圏4都県に発令されている緊急事態宣言について、菅義偉首相は2021年3月4日、「2週間程度延長する」という考えを示した。正式には3月5日の政府対策会議で決まる予定だ。
首都圏4都県の感染者の減少が下げ止まり状態で、医療体制がひっ迫しているとの理由だが、主要メディアの多くが「菅首相と小池百合子都知事との暗闘」を背景にあげている。
そんな理由で緊急事態宣言がさらに延長されては、営業時間の短縮を要請されている飲食業界はたまったものではないが、むしろ延長を喜んでいる声も一部にあるという。いったいどういうことか? 主要メディアの報道とネットの声をみると――。
「売り上げ以上の協力金が貰えるなら働くわけないジャン!」
飲食店の「協力金バブル」への批判の声は少なくない。たとえば、こんな声が寄せられている。
「焼鳥屋を経営している友達がいる。小さなお店で、売り上げも少ないと言っていたので、コロナ禍で心配になり、連絡したら『休業中』と言っていた。しかし、落ち込んだ様子もない。『コロナで休業したら、売り上げ以上の協力金が貰える!働くわけないジャン!』と言っていた。泣く泣く閉店するお店もあるのに...とすごく複雑になり、悲しくなった」
「自分の知り合いの居酒屋(個人経営)は、緊急事態宣言が長引いてくれたほうがうれしいと言っていましたよ。もともと1日2~3万円の利益しかないからと。粗利で1日6万円ですからね。(店によるが)1日に15万円~20万円くらいの売り上げがないと出せない粗利が税金で入ってくるわけだから、小さい店にとっては『協力金バブル』もいいところ。収入としてちゃんと納税させるように税務署頑張りなさいよ!」
「店舗の規模によって協力金を出すべきだったと思います。私も以前 10坪の飲食店を3軒やっていたが、各店舗月150万円の売り上げで優良店と言われていた。実際1日6万円の利益って、売り上げが1日10万円以上の店ですよ。10坪程度の店なら超優良店だ。そんな店は10店舗で1、2店舗程度だと思う。コロナ以前の確定申告から協力金の額を決めるべきだった。ただ、水商売の店は色々と過少申告をしているところが多いから、貰える協力金が減ってしまう。しかし、今まで税金を納めていないのだからしょうがない。政府は思いつきで税金を無駄に使っている。本当に生活が困窮している人々に税金を使って欲しい」
大手飲食店チェーン店からも、こんな指摘が。
「飲食のナショナルチェーンのフランチャイズ店舗を経営していますが、緊急事態宣言地域で時短営業している加盟店のほうが、私のような非宣言地域の加盟店より売り上げが多く、さらに協力金まで出ているとはどういうこと! コロナ禍で全国的に冷え込んでいるのだから、地方の経済にも目を向けてほしい。これで数年後に全国一律に『コロナ税』を徴収されることになったらたまったものではないですね」
また、飲食店ばかりに手厚い補償が出るのに、まったく出ない業種が多く、不公平だという怒りの声も多かった。
「飲食店だけ手厚く補償されていますよね? 時短を要請されているという事情があることはわかりますが、悲鳴をあげたいのは、育てた作物の納入先が決まらないまま朽ちていくのを見る生産者の方々では? 私の友人たちも、行事がなくなり売り上げが激減した花屋さん、巣ごもりで散髪をセルフにしたり来店してもカットのみだったりして売り上げが減った美容師さん、イベントのダンサーをしていて仕事がなくなった女性、観光客相手の通訳さん...。理髪店も美容院も服屋も鞄屋も、みんな助けてやってよ。みんな苦しんでいるけど、協力金なんて出ないんだよ」