あらゆる差別や蔑視はマイナス思考の先入観から生まれる
女性蔑視ということに限らず、あらゆる差別や蔑視は、
「どうせ○○だから」
「○○にはふさわしくない」
「○○にはできるはずない」
といったマイナス思考の先入観から生まれるものです。冒頭の森会長の失言もしかりです。経営者、管理者はマイナス思考を改め、
「○○にやってもらったら違う効果があるかもしれない」
「○○なら今までにない結果がでるのではないか」
「○○だからできることがあるんじゃないか」
といった、プラス思考で人材の活性化に取り組んでいく姿勢が大切だということを、理解して欲しいと思います。
以上が、私が認識しているダイバーシティのあるべき理解です。森前会長の失言騒動は思わぬ形で、今のグローバル・スタンダードな常識と日本人ベテラン指導者層の常識のギャップを知らしめることになったと思います。
ただ残念なのは、なかなか進まないダイバーシティに対するあるべき理解がこの機会に広まるきっかけになれば、と成り行きを注視していたものの、騒動の関係者からも森氏に批判的見解を述べる有識者からも、ついぞ「ダイバーシティ」というキーワードが、ほとんど聞かれずじまいであったことです。
日本におけるダイバーシティ認識はまだまだであるとの感を強くしたわけですが、今はまず個々の経営者層の理解から草の根的に広げていくことが大切ではないかと感じている次第です。(大関暁夫)