コロナ禍のアマゾンでいち早く導入
コロナ禍で進んだAIの「社会実装」は、医療関係ばかりではない。感染拡大を防止するためにAIを利用する取り組みもさまざまに行われている。
感染拡大防止策として社会に広く浸透したことの一つにソーシャルディスタンスがある。人と人との距離を2メートル程度開けることを推奨する。そこで、このソーシャルディスタンスが適切に取られているかをチェックするAIが開発された。
企業の代表的な導入例はアマゾンだ。物流センターでソーシャルディスタンスが確保されているかどうか、チェックするためだ。コロナ禍の自粛生活でECを使った物品購入が増え、アマゾンの注文量が増加。それにより業務が増えた物流センターの従業員の健康のため、ソーシャルディスタンスの維持に努める必要があった。
アマゾンでは、防犯カメラの画像をAI解析することで、従業員間の距離が近くなった場合に警告を発するシステムを開発。2020年3月から運用を開始した。このシステムでは密集を検知することができ、カメラの映像のなかに15人以上映ると警告を発するようになっている。
コロナ禍のなか、AIを使った密集検知のシステムはこのあとさまざまなソリューションが開発され、感染拡大防止に貢献。人が集まる場所はほかに、AIシステムを使った店舗や施設の混雑状況の配信サービス、検温とそのデータ管理、またマスク着用・非着用をAIで検知する装置も実現している。