危険な少子化 コロナ禍の影響は2021年が本番だ!(鷲尾香一)

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コロナ禍で相次いだ結婚式の延期

   緊急事態宣言により、不要不急の外出自粛、大人数での飲食の自粛などにより、結婚式を延期する人が相次いだ。

   これは、結婚式場の取り扱い件数に現れている。4月の件数は568件と前年比92.1%も減少。5月は220件で97.3%減、6月は622件で98.0%も減少している=表4参照

   おそらく、結婚式を延期したことで入籍も延期しているのだろう。それが、婚姻数の大幅な減少に影響しているものと思われる。

   今は結婚したら、すぐに子どもを作るという時代ではないのかもしれない。新婚生活を楽しむ人たちも多いだろう。そこで、2021年の出生数に直接影響がある妊娠届け出数を見てみよう=表5参照

   月別の妊娠届出数を見ると、20年4月以降は19年を下回って推移している。残念ながら20年の統計が10月までしか発表されていないため、総数を比較することはできない。

   ただ、7月までの総数は19年が76万6801件、20年が72万9267件なので、この時点で3万7534件も少ない。19年の総数は91万7681件だったの20年が19年並みになるには、2か月で18万8414件の届出が必要だ。1か月当たり、約9万4000件。これだけでも、2021年の出生数が大幅な減少になることが予想できる。

   これらの数字から、おそらく2020年の出生数は83万人程度まで減少すると予想される。

   急激に少子化が進行する可能性に直面している今、政府は雇用の安定を図り、個人の経済的不安を取り除くとともに、新型コロナウイルスのワクチン接種を急ぎ、安全で安定した生活が営める環境づくりに全力を集中すべきだ。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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