資金繰り、債務対策にはこんな手もある! 弁護士がコロナ苦境の中小企業に動画で指南

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   新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、中小企業の経営破たんが、2度目の緊急事態宣言の中でペースを速めている。コロナ禍の終わりが見えないなか、経営者の多くが事業継続に不安を募らせている。

   中小企業を支援する日本弁護士連合会は、倒産を回避するうえで「プロのアドバイス」を役立ててもらおうと、事業者向けYouTube動画を制作。日弁連の公式動画チャンネル「NICHIBENREN TV」で第2弾を公開した。経営の助言などを専門に行っている弁護士らが、公的支援を受ける方法などについて詳しく解説。わかりやすいと評判だ。

  • 中小企業の事業者向け動画の第2弾を公開した日弁連の公式動画チャンネル、NICHIBENREN TV
    中小企業の事業者向け動画の第2弾を公開した日弁連の公式動画チャンネル、NICHIBENREN TV
  • 中小企業の事業者向け動画の第2弾を公開した日弁連の公式動画チャンネル、NICHIBENREN TV

日弁連、動画シリーズ第2弾を公開

   新しい動画は「新型コロナウイルスにより影響を受けた事業者の倒産回避対策」という、ストレートなタイトルの9本から成るシリーズ。最初の緊急事態宣言時の2020年5月7日に公開された「コロナ倒産を回避する! 危機対応の資金繰り対策」(8本で構成)に続く第2弾だ。

   新シリーズの1本目は、小林信明弁護士による「事業継続の意義と経営者保証に関するガイドライン」。法人化している中小企業で、金融機関からの借入金を経営者が保証している場合、経営者保証に関するガイドラインを使って解除できることがあることなどを説明し、「売り上げがなくなった、資金が足りない そんななかでも事業継続をあきらめないで」と訴える。

   1社の経営破たんが取引先などにも連鎖して、その影響が大きくなることから、このシリーズではそれぞれの動画が、ケースに応じた倒産回避策を説明している。

   2本目はゲスト版とも言うべき、日本政策金融公庫の担当者による「ポストコロナに向けた事業再生 ~事業継続・持続的発展のために~」。3本目は森智幸弁護士が「資金ショートが迫った場合の事業継続の方法」をレクチャー。この中で森弁護士は、個人事業者に自然災害債務整理ガイドラインのコロナ特則が2020年12月1日から適用されるようになったことなども紹介して、金融支援による事業継続(自主再建)、譲渡による事業継続(スポンサー型)の道があることを説明する。

   日弁連や動画に登場する弁護士らによると、国内には約400万の中小零細企業があり企業全体の99.7%を占め、その就労者は2800万人と全体の70%を占める。1社の倒産は連鎖を招き、1社だけの破たんで済まず失業の輪が広がってしまう。そうした事態を避けるために支援しようと、今回の動画制作につながった。

   たとえば、森弁護士の「資金ショートが迫った場合の事業継続の方法」の中では、「特定調停スキームによる事業再生」や、事業継続できなかった場合の次善策としての「事業譲渡」、破産を避けるための「廃業」を紹介。さらに、それぞれの詳細を担当の弁護士が解説してくれる。破産ではなく廃業となった場合、別の事業者によって従業員や事業用資産などの引き継ぎが可能になるという。

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