注目の竹下氏との会談はグータッチで始まったが...
さらに、島根県選出の5人の国会議員を訪問した。記者団が注目したのは「不用意な発言だ。注意しなきゃいかん」と公言していた竹下亘衆議院議員との面会だった。竹下氏の事務所を訪問。
竹下氏「やあ、ごくろうさん」
まずは感染予防のグータッチ。丸山知事はコロナ対策強化の要請文を提出。記者団が竹下氏からどんな「注意」があるのか見守っていると、雑談から――。
竹下氏「国会議員たるもの国民に苦労や迷惑をかけている最中に自らの行動に十分注意しようと今日も派閥の総会でした」
丸山知事「今回の政府の緊急事態宣言措置は的確でした」
竹下氏「一定の成果をあげたことは事実だよね」
丸山知事「ただ、いろいろな副作用が出ているのでお願いに上がりました」
「注意」がないままぎこちない会話が続き、ここで記者団は外に出された。あとは30分の会談。終了後、竹下氏は記者団にこう語った。
「(経済支援について)島根一つじゃ力が弱い。同じ悩みを持っているところが徒党を組んでほしい。集まって言えば、政府も取り上げやすいし、われわれもアシストしやすい、と言いました。ただ、それと聖火リレーの中止は別の話だと言ってやった。本人も五輪はやることには賛成みたいなことを言っていましたよ」
と、「注意」が功を奏したように語ったのだった。
――以上が地元メディアなどの報道である。ところが、夕方、都道府県会館で記者会見に臨んだ丸山知事は、記者団から竹下氏との会見内容を聞かれ、こう笑ったのだった。
「お互いに相手が何を考えているかわかっていますから、その話題(五輪中止問題)はさけました。私は政治経験も人生経験もない。注意していただけるのはありがたいこと。(竹下氏から)私の所作に問題があったとしても、県民のためにきちんと対応しようと言っていただいた」
(福田和郎)