直談判に上京した丸山知事に冷たい中央省庁
丸山知事に密着取材した地元メディアの山陰中央テレビ(2月25日付)「五輪・聖火リレー中止発言の丸山知事が上京し直談判 中央省庁の反応は...」や、山陰中央新報社(2月26日付)「丸山知事、政府に経済支援を要請 具体的な回答なし」などを総合すると、こんな扱いだった。
「オリンピックを開いてもらっちゃ困る。(東京都には開催する)資格がない」
「東京五輪の聖火リレーを中止していただきたいと要請する」
......。いざ直談判へ上京した丸山知事がまず向かったのは厚生労働省。
「大臣ご無沙汰しております。きょうは急にお時間をいただきありがとうございます」
とばかりに田村憲久厚労大臣への面会を要望したが、山本博司副大臣との面会に。保健所の積極的疫学調査が不十分な状態で、新型コロナウイルス対策の改善・強化がされないままでは東京五輪を開催すべきではないことや、県内の聖火リレーも中止の判断をせざるをえないとする要請文を手渡した。
「保健所の調査の重要性については、よく認識しており、できるだけ解消したい」と、山本副大臣。
会談後、丸谷知事は記者団にこう語った。
「(東京五輪は)首都圏プラスアルファの話なのに、西日本の島根からあれこれ言われる筋合いはないという批判もあるだろうが、感染拡大は飛び火する。東京エリアでコロナの対応能力を引き上げて、安心して選手を迎えられることが望ましく、状況を改善して国民に受け入れやすい環境を整えるべきだと(副大臣に)述べました」
「副大臣の反応は?」と記者団に聞かれると、丸山知事はこう語った。
「考え方、要望内容が的外れだとは言われなかった。聖火リレーで人が沿道に出る。それによる感染拡大を恐れて島根が反対していると誤解されている。そうではなく大元の問題だ。(政府、東京都が)対策の強化をしないと五輪を開催すべきではない、と言いました。一定の理解を得られたと思います」
その後、経済産業省、内閣府を訪問。現在、政府は緊急事態宣言下の地域しか支援していない。島根県など感染拡大を抑えられている地域に対しても経済支援の拡充を求めるためだった。
しかし、経産省と内閣府は政務3役ではない事務方の課長クラスが対応。ただ要請文を受けるだけに終わった。丸山知事が強く求めた新型コロナ担当の西村康稔経済再生担当相との面会は実現しなかった。