ロイヤルホテルやリーガロイヤルホテルなどを運営する株式会社ロイヤルホテル(大阪市)は、大阪市にあるリーガロイヤルホテルで30泊のプランを含む、長期滞在プランを2021年3月から販売する2月19日の発表。
新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ利用の回復を目論見て新たな需要を掘り起こすのが狙い。帝国ホテル東京(東京都千代田区)が、コロナ禍対策のビジネスとして「サービスアパートメント」の提供を発表して以来、高級ホテルが次々と長期滞在プランを打ち出しており、ホテル業界の「ニューノーマル」の一つになってきた。
専用フロアにユーティリティールーム設置
リーガロイヤルホテルの長期滞在プランは「Home Hotel(ホームホテル)」。ウエストウイング6階の38室とタワーウイング14階の23室の計61室を長期滞在専用フロアとして提供する。ウエストウイングのシングル(定員1人、31室)で、5泊=3万5000円、月額(30泊)=15万円(いずれも諸税・サービス料を含む)。
ほかに、ツイン(定員2人、7室)=月額25万円、スタンダード(定員2人、12室)=月額30万円、デラックス(定員2人、8室)=月額40万円、エグゼクティブ(定員2人、3室)=月額50万円を用意した。
2021年4月1日から9月30日の宿泊まで利用可能で、3月1日から予約を受け付ける。10月以降の利用は、検討中。
宿泊プランは「シンプルプラン」と「デラックスプラン」の2タイプ。ウエストウイング6階フロアを専用フロアとする「シングル」と「ツイン」は、長期出張向けの「シンプルプラン」。タワーウイング14階フロアの各室を使った「スタンダード」「デラックス」「エグゼクティブ」は、高層階客室専用のカフェラウンジやプール、大浴場などが利用できる「デラックスプラン」だ。
各専用フロアに、ランドリーや電子レンジ、オーブントースターを自由に利用できるユーティリティールームを設置。フロアにはセキュリティシステムを導入した。また、荷物やメッセージの預かり、宅配の手配などの24時間対応のフロントサービスに加え、駐車場無料など「ホームホテル」として快適に過ごせるよう環境を整えた。
ホテル業界の「ニューノーマル」
コロナ禍のなか、ホテル業界は厳しい状況が続いている。観光庁が2021年2月17日に明らかにした「旅行・観光消費動向調査 2020年 年間値(速報)」によると、2020年の日本人国内旅行消費額は前年比54.9%減の9兆8982億円で、このうち宿泊旅行は54.9%減の7兆7394億円と大幅に落ち込んだ。
2021年になってもコロナ禍の出口が見えず、ホテル業界は新規需要の掘り起こしに努めている。その中で、「ニューノーマル」となっているのが、長期宿泊プランの提供だ。
口火を切ったとされるのが、帝国ホテル 東京のサービスアパートメントだ。スタジオタイプの客室利用による月額(30泊)36万円をスタートプランとして、3月15日から提供すると発表して注目が集まった。専属のサービスアテンダントがあり、駐車場やフィットネスセンター・プール・サウナが無料で利用でき、パソコンブースやビジネスラウンジも用意―など、付帯サービスの充実ぶりに驚きの声があがった。
帝国ホテルに追随して、ほかの高級ホテルからも次々に長期滞在プランが発表され、今回のリーガロイヤルホテルもその一つだ。ホテルニューオータニ(東京都千代田区)やストリングスホテル東京インターコンチネンタル(東京都港区)、セルリアンタワー東急ホテル(東京都渋谷区)などでも長期滞在プランを設けている。
また、京王プラザホテル(東京都新宿区)は、長期滞在向けの特別宿泊プラン「『暮らす』@theHOTEL」を販売。利用期間は2月22日~5月15日宿泊までで16室限定。30連泊21万円、24万円と27万円などのプランのほか、同16万円と低価格の「ホテル型サービスアパートメント」を用意し、すでにいずれも「満室」となっている。