コロナ禍の今は新チャプターへの準備期間
スフレコラ氏は、コロナ禍での日本代表としての舵取りを、こう述べる。
「(コロナ禍の中でも)需要が高いことは幸運。コロナ禍はまだ続いており、挑戦が必要な状況ではない。成長を追求するのは合理的ではなく、優先事項ではない。今後しばらくは、基本に目を向けたい。顧客満足度への取り組みやディーラー網の整備だ。いまは、コロナ禍が収束したあとの新しい『チャプター(章)』での成長のため強化、安定化を図る時期と考えている」
日本国内のディーラーは現在、東京2か所のほか、仙台、横浜、名古屋、大阪など計9か所にあるが、まもなく札幌に開設し10か所体制になる予定。
顧客との関係強化では、会見の場を設定した「THE LOUNGE TOKYO」を「カスタマージャーニー」の拠点として、ランボルギーニに親しむ機会をプロデュースしたい意向。「ビジネスは販売だけではなくケアすることも大切。だがコロナ禍では1対1の対面することやグループ試乗も困難。このラウンジを顧客との関係を深める場所に活用したい。小さなグループで(ランボルギーニを体験する)ジャーニ―を始めることもできるし、誕生会などプライベートな楽しみ方もできる」という。
「THE LOUNGE TOKYO」は、スーパーカーのモデルだけではなく、車両内装のレザーやパーツを展示。大型のスクリーンを備え、パーティースペースがあり、ランボルギーニが演出するライフスタイルを体験できる。
コロナ禍で世界の自動車メーカーは自動運転化を視野に入れ、電動化を目指す動きを加速させている。スフレコラ氏は、自動車の電動化が大きな流れになっていることについて、「脅威ではない。だがリアリティーが電動化に向かっていることはわかっている」ときっぱり。ランボルギーニの電動化については、こう述べた。
「ランボルギーニにとっては、これから2つのフェーズ(局面)がある。ハイブリッドと電動化だ。いきなり電動化のランボルギーニは作れない。バッテリーはその段階ではない。いまはサーキット2周ごとに充電しなければならないレベル。だからまずはハイブリッド化。いずれにしても各国の規制に対応するよう準備はしている」
さらに、現在のフラグシップモデル「アヴェンタドール」あとの次世代モデルは「ハイブリッドでなくてはならない」と断言。「ランボルギーニのヘリテージ(伝統、遺産)を備えたモデル。(アヴェンタドールの)V12エンジンの要素をとどめたものになろう」と話した。