トヨタ自動車が、静岡県裾野市で計画する先端技術都市「ウーブン・シティ」の建設に着手した。昨年12月に閉鎖したトヨタ自動車東日本の東富士工場跡地に隣接する旧車両ヤードで2021年2月23日、地鎮祭を行った。
トヨタの豊田章男社長は、
「『ヒト中心の街』、『実証実験の街』、『未完成の街』が『ウーブン・シティ』のブレない軸です。多くの仲間とともに、多様性をもった人々が幸せに暮らすことができる未来を創造することに挑戦いたします」
と語った。
「未来のモビリティ社会」のモデル
「ウーブン・シティ」は街全体をITでつなぎ、CASE(Connected=コネクティッド、Autonomous/Automated=自動化、Shared=シェアリング、Electric=電動化)の新しい領域の実証実験の街として、東富士工場跡地に将来的には約70.8万平方メートルの範囲で、「未来のモビリティ社会」のモデルを模索する。
トヨタが自動車会社からモビリティカンパニーへの変革を目指すなか、プロジェクトでは自動運転、パーソナルモビリティ、ロボット、人工知能技術などをはじめとするさまざまな領域の新技術を、リアルな場で実証する。社会課題の解決に向けた発明をタイムリーに生み出せる環境を目指す。
地上に自動運転モビリティ専用、歩行者専用、歩行者とパーソナルモビリティが共存する3本の道を網の目のように織り込み、地下にはモノの移動用の道を1本つくる。網目状の道路を備えることから「WOVEN(織られた)」を街の名前に使った。
高齢者、子育て世代の家族、発明家を中心に、初めは360人程度、将来的にはトヨタの従業員を含む2000人以上の住民が暮らすという。