きょうは、50代前半のEさんがいらっしゃっています。
「4月から『改正高年齢者雇用安定法』が施行されますね。数年前まではまだ先のことかなと、そんなに気にしていなかったのですが、コロナ禍になって今回は現実味が増して来ました。
しかし『あと20年働かないといけないのか』と考えると気持ちが重くなりますし、だからと言って、60歳で退職するには年金支給までの期間も不安です。先のことのようで意外と近い未来だなと思うと不安が増してきます」
Eさん、まずは改正高年齢者雇用安定法について知っておきましょう。
まず、自分のキャリアに向き合ってみては?
改正高年齢者雇用安定法は、2021年4月から施行されます。経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高齢者がその能力を発揮できるようにと70歳定年、雇用延長になるという法律です。ただし、義務付けられているわけではありません。
コロナ禍で実体経済が停滞する前までは、Eさんのように「先のことだから、考えなくてもいい」という方も多かったようですが、最近はこんな考え方もあるようです。
・70歳まで安定期間が伸びるのでうれしい
・うれしくはないが生活のためになるので歓迎
・役職定年もあって、平社員のような給料になるのでイヤだ
・60歳、もしくはそれまでに退職したい
このように考え方はバラバラです。
働き方も変化しています。コロナ禍で、場所と時間にとらわれない働き方が選択しやすくなり...... というよりも、正しくは「意外と会社に行かなくても仕事ができてしまった」ということが正しいのかもしれませんが、郊外や地方に引っ越しする人がいたり、自宅とは別に仕事部屋を借りたりというように物理的な変化を自ら起こしている方々もいます。
これまでの日本はメンバーシップ型雇用が主流だったため、会社都合でキャリアが変わることが多かったのですが、コロナ禍で自分のキャリアに向き合う方が増えて来ています。「働き方やキャリアへの考え方が変わった」という声も、よく耳にするようになりました。
コロナ禍で将来に対する不安や、今後のキャリアについて考える時間ができたことが、背景にあるようです。