東京株式市場は日経平均株価が3万円台に突入。ただ、高値への警戒感が強まっていることも確か。3万円を節目に、一進一退の展開が予想される。
新型コロナウイルスの新規感染者は日米で減少傾向にあり、またワクチン接種が本格的に始まったことで、景気回復への期待がさらに高まっていることで市場はリスクオンムードが広がっているのだが......。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 さらなる上昇に新たな材料が必要
日経平均株価予想レンジ:2万9000円~3万500円
2021年2月19日(金)終値 3万17円92銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、3万円の値固めか。
前週の日経平均株価は、大幅に続伸し3万円台に乗せた。米国のバイデン政権による追加景気対策、新型コロナウイルスのワクチン接種の進展が相場の安心感につながっている。加えて、イエレン米財務長官が経済対策に前向きな姿勢を示したことも好感された。
今週の日経平均株価は、3万円の大台を固める展開か。新型コロナウイルスのワクチン接種が進展して感染拡大も下火となってきていることで、相場の不安材料が薄れており、日経平均株価は底堅い展開となりそうだ。
ただ、ここまでの上昇スピードも速く、3万円からの上昇には新たな材料が必要だろう。一方で、米国の長期金利が上昇していることは懸念材料となっている。金融緩和政策の変更はないことから、目先、米国の長期金利上昇が売り材料となる可能性は低いが、23、24日に米FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の議会証言には注意が必要だ。
東京外国為替市場 ドル高値圏でもみ合いか?
ドル・円予想レンジ:1ドル=105円50銭~106円50銭
2021年2月19日(金)終値 105円66銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの高値圏でもみ合いか。
前週のドル円相場は、ドルが上昇し一時1ドル=106円台半ばまで値を上げた。米国のバイデン政権による追加景気対策、新型コロナウイルスのワクチン接種の進展、イエレン米財務長官が経済対策に前向きな姿勢を示したことなどが好感され、リスク選好のドル買い・円売りが優勢となった。加えて、米国の金利上昇のよる日米金利差もドルの買い材料となった。
今週のドル円相場は、ドルの高値圏でもみ合いか。ドルにとっては好材料が多く、一段のドル高の可能性もあるものの、米国の長期金利の動向には注意が必要だ。上昇が続くようであれば、米国の株式相場の下げ材料となる可能性があり、ドルの売り材料となる。
半面、米国の長期金利が下落するようであれば、ドル買い材料の一つがなくなることになる。外国為替相場にとっても、23、24日に米FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の議会証言には注意が必要だ。
経済指標は、国内では25日に12月の景気動向指数、26日に1月の鉱工業生産などが予定されている。
海外では、24日に米国の1月の新築住宅販売、25日に米国の10~12月期GDP(国内総生産)改定値、米国の1月耐久財受注、26日に米国の1月の個人消費支出と個人所得などが予定されている。
(鷲尾香一)