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新型コロナウイルスの感染防止策、8割の行動制限が求められる訳

   その中から、いくつか問題と解説を紹介しよう。

   まず、第1問「新型コロナウイルスの感染防止のため、8割の行動制限が求められている理由とは?」。

   感染者は「指数関数的」に増加する。あるウイルスは、感染者1人が生み出す二次感染者数を2人だとする。1人から2人、2人から4人、4人から8人......。いわゆる「倍々」に増えていく。新たな感染者がx人増えるごとに次の感染者数は2のx乗ずつ増えていく。

   感染者の連鎖を断ち切り、ウイルスの感染力そのものを減少させるために「ステイホーム」が要請された。

   さらなる対策「8割の行動制限」とは、どういう理由から要請されたのだろうか。横山さんは「実効再生産数」について説明する。再生産数とは、1人の感染者が平均で何人を直接感染させるかを示すもので、「実効再生産数」とは「実際に現実の社会で起きている再生産数」だ。

1より大きい→新規感染者が増え、感染が拡大
1の場合→新規感染者数は横ばい(収束も拡大もしない)
1より低い→新規感染者は減り、感染が収束

   すでに感染拡大が起きたドイツなどのデータから「オーバーシュート(爆発的な感染者の増加)」を避けるためには理論値は2.5と考えられた。さらに、実効再生産数が1を下回り、抑制させることも必要だ。

   政府専門家会議クラスター班の西浦博教授によると、以下の数式となる。

   実効再生産数(Re)を1より小さくしたい。そのためには、全体(1)の何割(p)の人が行動制限する(1-p)ことで、基本再生産数(Ro=2.5)を下げることができる。

   この式を計算すると、行動制限が必要な人の割合(p)は0.6になるそうだ。つまり、行動制限が必要なのは6割。しかし、実際には要請に応えない人もいるので8割になったようだ、と説明している。

   コロナ関連で難しい話を紹介したが、本書には「見るだけで解ける、3ケタ×3ケタ計算法」「13日の金曜日が暗算でわかる方法」「モテる人がやっている『恋愛ロードマップ』を素因数分解」「丸いケーキをきれいに3等分する方法」など、楽しいトピックスが多い。

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