あのテスラが15億ドルものビットコインを購入した!(ひろぴー)

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   2021年2月8日、410万円付近で推移していたビットコインが突然急騰。翌日には、500万円を付けるほどの上昇劇を演じました。

   この背景には、イーロン・マスク氏率いる米電気自動車メーカーである「テスラ」が15億ドル(約1575億円)ものビットコインを購入したことがあります。いったい、なぜテスラはビットコインを購入したのでしょうか。また、これからビットコインはどうなるのでしょうか――。

   仮想通貨市場をウォッチする投資家だけでなく、全世界を驚かせたビットコインの話題を解説します。

  • イーロン・マスク氏率いる米テスラが15億ドルものビットコインを購入した(テスラの公式サイトより)
    イーロン・マスク氏率いる米テスラが15億ドルものビットコインを購入した(テスラの公式サイトより)
  • イーロン・マスク氏率いる米テスラが15億ドルものビットコインを購入した(テスラの公式サイトより)

テスラのビットコインの大量購入は予想されていた!?

   米テスラは1月に15億ドル、およそ1575億円規模のビットコイン(BTC)を購入しました。突然の大量購入に思えますが、じつはこの流れは予想されていました。

◆ビットコインのチャート(期間:2020年9月8日~21年2月16日)
◆ビットコインのチャート(期間:2020年9月8日~21年2月16日)

   話は2020年12月20日にさかのぼります。

   イーロン・マスク氏のビットコインに関するツイートに関して、世界一ビットコインを保有(取得金額は約1150億円)している米マイクロストラテジーのマイケル・セイラ―(Michael Saylor)CEO(最高経営責任者)がコメント。株主に1000億ドルの利益をもたらすには、テスラが保有する資産をビットコインにすることを薦めました。

   これに対して、テスラのCEOイーロン・マスク氏は「ビットコインはそのような大口取引が可能なのか」と質問。マイケル・セイラ―氏は、オフラインで教えると返答しました。

   さらには、世界的大手取引所であるバイナンスのCEOであるCZこと、チャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏もコメント。ビットコインを購入する際には、少額ずつ行うように進言したのです。

   この話があったため、仮想通貨業界では「近いうちにテスラがビットコインを購入するのではないか」という期待が高まっていました。

プロフィールを変えただけで60万円も上昇

   年が明けるとビットコインは1週間で100万円以上も上昇し、一時1BTC=400万円を超えるほどに急騰しました。その後は、300万円を割り込むまで下落したものの、バブル感のない堅調な相場展開が続いていました。

   ところが1月29日夕方、ビットコインはわずか2分程度で10万円急騰。突然の出来事に、ニュースを探ってみても目立った材料はありませんでした。そうなれば、テスラの話題が頭をよぎります。イーロン・マスク氏のツイッターを確認すると、プロフィール欄に「#bitcoin」と記載されていました=下のツイッター画面を参照

イーロン・マスク氏のツイッターを確認すると......(現在は変更されています)
イーロン・マスク氏のツイッターを確認すると......(現在は変更されています)

   これが投資家には、「テスラかイーロン・マスク氏がビットコインを購入した」と想像を掻き立てたのです。

   イーロン・マスク氏といえば、カリスマ経営者として人気が高く、今やアマゾンのジェフ・ベゾス氏を抜いて資産19兆円の世界一の大富豪です。ツイッターのフォロワー数は4000万人越えと、その影響力は計り知れないものがあります。

   そんなこともあり、6時間程度でビットコインは60万円も上昇。あっという間に400万円を回復したのです。おそらく、この時にビットコインを購入したのでしょう。

   購入価格は1BTC=337万円程度ですから、ビットコインが500万円まで上昇したときには、760億円もの含み益が出ている計算となります。テスラの2020年の純利益は725億円程度ですから、ビットコインへの投資によって、わずか2週間で並んだことになります。

   なお、今回ビットコインの購入にはテスラの現預金の8%程度だったようです。

◆米テスラのビットコイン購入までのタイムライン
◆米テスラのビットコイン購入までのタイムライン

   さて、マイクロストラテジーやテスラのようにビットコインの購入を行う企業は今後も現れるのでしょうか。

   参考となるデータとしては、2月初めに開催されたマイクロストラテジーによるビットコインのカンファレンスにエントリーした企業の数があります。その数なんと、1400社! それだけ多くの企業が、ビットコインの購入に興味があるということになります。

   筆者はビットコインの購入を煽るつもりは一切ありませんが、これまでにない買い手が現れていることで、バブルではない新しい風が吹いていると感じています。(ひろぴー)

ひろぴー
FX・仮想通貨トレーダー兼コラムニスト。
サラリーマントレーダーとして、「FXリアルトレード対決!」で優勝するなど、数多くの実績を残す。現在はラジオ日経で投資番組のパーソナリティを務める傍ら、「ザイ!FX」や「みんなの仮想通貨」などのポータルサイト大手での執筆活動にも精力的に取り組んでいる。2015年からは仮想通貨の可能性に注目。仮想通貨への投資を開始した。香港系プライベートファンドにも運用している。
仮想通貨Webサイト:Bitcoin-FXも運営しており、仮想通貨情報発信も行っている。
・仮想通貨ブログ ビットコインFX:https://bitcoin-fx.jp/
・初心者もできる、ビットコイン・イーサリアム投資情報サイト:https://btc-eth.jp/
・Twitter:ひろぴーFX@仮想通貨@hiropi_fx
児山 将(こやま・しょう)
2009年の大学4年時にFXをはじめ、一度は飲食店の店長として働くも相場に関りたく金融メディア大手に就職。記事執筆とサイトのディレクションを行う。FX以外にも、株、指数、オプション、商品、仮想通貨など多岐に渡る商品を取引。現在はフリーランスとしてサイト制作やコンテンツ制作を行いながら個人投資家として活動する。
・Twitter:児山 将@goahead5055
・初心者でもできる、ビットコイン・イーサリアム投資情報サイト https://btc-eth.jp/
姉妹サイト