マンション管理2法の改正で、「マンションは管理を買う」時代がやってきた!?(中山登志朗)

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「マンションは管理を買え」とはどういう意味?

   少々話は変わりますが、筆者がこの業界で仕事をするようになって「マンションは管理を買え」という言葉を耳にするようになりました。これは、マンションは土地が共有(例外もありますが)で建物が区分所有、つまり個人が所有しているのは住戸という空間だけで生活している住人は「運命共同体」みたいなものだから、日々の管理の良し悪しで暮らし心地や将来売却した際の価格に差が付くという意味です。

   その後、マンションマーケットについてさまざま知識を得て、マンションは立地条件や戸数規模、タワー型や板状型などの形状、都心か郊外かといった広域での利便性に加えて、そのエリアの安全性(防犯・防災)や雰囲気(山の手か下町かといった違い)、さらに管理状況によっても違いが生じるケースがあることがわかりました。

   マンションは「不動産=動かすことのできない財産」であり、都市型の効率的な生活に適した居住形態ですから、都心か郊外か、駅に近いか遠いかといった交通条件と生活面での利便性が資産価値に大きな影響を与えていることは間違いありません。

   しかし、先述のとおりマンション居住者が運命共同体だとすれば、区分所有している住戸部分だけではなく、廊下やエントランス、給排水管路など建物と設備のメンテナンス状況、管理費水準や修繕積立金プール額などといったマンション共用部のソフト面、ハード面についての情報は購入前に必ず確かめておくべき項目のはずです。

中山 登志朗(なかやま・としあき)
中山 登志朗(なかやま・としあき)
LIFULL HOME’S総研 副所長・チーフアナリスト
出版社を経て、不動産調査会社で不動産マーケットの調査・分析を担当。不動産市況分析の専門家として、テレビや新聞・雑誌、ウェブサイトなどで、コメントの提供や出演、寄稿するほか、不動産市況セミナーなどで数多く講演している。
2014年9月から現職。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任する。
主な著書に「住宅購入のための資産価値ハンドブック」(ダイヤモンド社)、「沿線格差~首都圏鉄道路線の知られざる通信簿」(SB新書)などがある。
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