IOCもセクハラ報道を把握し、難色を示している
日本の共同通信が海外に配信する英語版記事でも、ソチ五輪での出来事が触れられている。だから、海外メディアが橋本氏のプロフィールを書くときは、共同通信を参考にすることが多いから、「セクハラ問題」が盛り込まれやすい。何よりまずいのはIOC(国際オリンピック委員会)の委員がよくチェックすると言われる五輪ニュース専門サイトの「インサイド・ザ・ゲームズ」でも橋本氏の「黒歴史」を取り上げたことだった。
このことが世界に拡散して、「女性差別発言」の森喜朗氏の後任者が「男性差別主義者」の女性会長か、と指弾されては、コントのオチにもならないではないか。じつはIOCも橋本氏の「セクハラ問題」には懸念を抱いていると、朝日新聞(2月18日付)「後任選び刷新感重視 五輪組織委会長巡り検討委」が報じている。
「2014年のソチ五冬季五輪閉会後、フィギュアスケートの男子選手に無理にキスをしたと週刊誌に報道されたことに再び注目が集まることを、橋本聖子氏は嫌がっていたという。IOCも過去の週刊誌報道を把握し、難色を示しているとの見方も関係者の間にあった。(そんな問題があったにもかかわらず)橋本氏に一本化する方向で最終調整に入ったのは、候補者選考の検討委員会の座長を務めた御手洗冨士夫・組織委名誉会長が、橋本氏にこだわったという」
(福田和郎)