世界各国「ゼロエミッション」取り組み急ぐ
日本や世界各国では近年、大きな災害の原因になっている温暖化の対策として排ガス規制を強化する動きが強まっている。これに合わせて自動車メーカーは、「ゼロエミッション」への取り組みが急だ。脱ガソリンの動きを進め、燃料・動力の多様化を図り、その中心はEV化。異業種からの参入を含めEV生産の流れが強まっている。
新しいところでは2021年2月15日、英自動車大手、ジャガー・ランドローバーが、高級車ブランド「ジャガー」を2025年までにすべてEV化すると発表。同じく英高級車ブランドで独フォルクスワーゲン傘下のベントレーモーターズも20年11月、30年までにすべての車種をEVすることを明らかにした。米ゼネラルモーターズ(GM)は21年1月、35年までに車両の排気ガスをゼロにする目標を掲げた。
米カリフォルニア州では20年9月、35年までに、州内で販売される新車について排気ガスを出さない「ゼロエミッション車」にするよう義務づけるとニューサム知事が発表。同州が自動車産業にとって大きな市場なだけに、この発表がEV開発競争に拍車をかけたとされる。
日本では菅義偉首相が今年1月の通常国会での施政方針演説で、国内販売車の電動化について「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と表明。これまで「2030年代半ば」とされてきた達成時期をより具体的に述べた。