「忖度する人間」だけを集めた後任選考委員会
東京スポーツ(2月17日)「ポスト森喜朗巡り『密室選考』『不可解ルール』で内外から懐疑論が噴出」は、検討委のメンバーの選考からして、「忖度する人間」ばかり集められたと指摘する。
「関係者の間では『こんな不透明なやり方はない』『どう考えても公正と言えない』との批判の声が相次いでいる。実際、会社法に詳しい法曹関係者は『普通では考えられない。例えば取締役による選定委員会で社長を選ぶ場合、利害関係のあるメンバーが委員会に入らないのは当たり前』と問題点を指摘する。組織委幹部も『検討委の山下氏や室伏氏はIOCの意向をくみ取れる立場。お互いに忖度できる人たちが会長候補になれるのはおかしい』と憤り、『忖度選考』になることを危惧した」
この時点での次期会長候補は検討委の山下会長や室伏長官のほか、「大穴有力候補」と報じられた組織委の小谷実可子スポーツディレクター(54)ら。一方で、当初の大本命と目されていた橋本聖子五輪相(56)は就任に難色を示しているという。
いずれにしろ、候補の山下氏や室伏氏が入っているのは公平ではあるまい。しかも山下氏の柔道の後輩でもある谷本歩実氏も入っているのだ。本番まで時間がないとはいえ、このような決め方では誰が候補となっても波紋が広がることは間違いない。
東京スポーツが続ける。
「秘密だらけの選考にスポーツ界でも不信感が広がった。全日本空手道連盟の笹川堯(たかし)会長(85)は緊急会見を開き、組織委と検討委に提案書を出したことを明かしたうえで、『立候補制を導入し、公開討論をしたらどうか』と選考過程のオープン化を提唱。提案書の送付を公表した理由について『握り潰されては困るから』とまで言い切った」
(福田和郎)