クリーニング店の「廃業・倒産」増えるかも...... 原因はテレワークにあり?

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   新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、テレワークの導入が進んでいるが、その影響がクリーニング業者にも及んでいるようだ。

   帝国データバンクの「クリーニング業者1833社の実態調査」によると、1833社の収入高合計は2019年度まで4期連続で前年度より増えていたが、コロナ禍の2020年6~9月を決算とする432社をみると、8割強の企業が減収だった。2021年2月10日の発表。

   同社は、テレワークが増えてワイシャツやスーツなどのクリーニング需要が減少したことが収入悪化につながったと、指摘する。

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コロナ禍の影響が長いほど収入減大きく

   調査によると、2015年度から19年度決算の収入高が判明したクリーニング業者1833社の収入高合計は、16年度から4期連続で前年度から増加。19年度の収入高合計は4245億4600万円(前年度比0.3%増)だった。「価格改定による値上げや大手・準大手業者を中心に、新規出店や他社からの店舗譲り受けなどによる店舗増が増収の背景にあるとみられる」という。

   1833社のうち、6~9月を決算とする企業で、2018年からコロナ禍の影響が表れた20年の収入高が、比較可能なのは432社。このうち、19年6~9月期は、減収企業が75社(構成比17.4%)だったのに対し、20年6~9月期は減収企業が353社(同81.7%)と8割強を占めた。

   帝国データバンクは「コロナ禍の影響で、テレワークが増えたことに伴い、ワイシャツやスーツなどのクリーニング需要が減少し、収入高が悪化した企業が大幅に増加した」と指摘する。

   432社の2019年と20年の6~9月期収入高の増減率平均をみると、2019年は平均1.0%増だったが、20年は平均14.9%減と2ケタ減にまで落ち込んでいる。また20年6~9月の各決算月別の増減率平均をみると、6月期は平均9.5%減だったものが、7月期は15.8%減、8月期は16.9%減、9月期は19.7%減にまで減少幅が拡大。コロナ禍の影響を長く受けるほど、収入高の減少幅も拡大している。

   432社について、2020年6~9月期の収入高規模別に動向をみたところ、「1億円未満」(282社、65.3%)の小規模企業の8割強が減収となった。また、「1億~10億円未満」(142社、32.9%)の8割弱が減収となり、「10億~50億円未満」(8社、1.9%)の7割強も減収となるなど、企業規模を問わず苦戦を強いられていることが示された。

   帝国データバンクによるとクリーニング業界はもともと競合が激しいが、昨今は、クールビズの一層の浸透や、衣類そのものの進化や、洗剤、洗濯機の性能の向上で、クリーニング店への依存頻度が高まっていない。その中で、コロナ禍の影響でテレワークが定着しつつあり、クリーニング需要の減少が加速。業界にとって厳しい状況が続いているという。

「中堅以上の業者については、新規出店や廃業したクリーニング業者からの店舗の譲り受け、価格改定による値上げなどにより、需要の伸び悩みをカバーし、収入高を維持することが可能とみられる。一方、小規模業者は値上げが厳しく、一定数の固定客以上に新規顧客獲得が難しいうえに、経営者の高齢化も進んでいる。新型コロナの影響に伴う業績悪化が続くことになれば、経営者の事業継続意欲も減退し、廃業もしくは倒産などが増加する可能性もあろう」

   同社は、そう分析している。

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