きょうは50代のDさんがいらっしゃっています。1965年~70年のバブル世代です。
いつの頃か50代は「煙たがれるオジサン」と呼ばれるようになり、Dさんも自らが「煙たがられる世代」であるということを認識させているようですが、本当はどう思っているのでしょうか。ちょっとお話を聞いてみようと思います。
バブル世代の特徴をみると......
「バブル世代」とは、バブル景気の1986年~91年に就職した世代で、大卒の5割以上が東証一部上場企業に入ったと言われているようです。インターネットなどには、「バブル世代の特徴」がまとめられていますが、主に4つ載っていました。
・コミュニケーション能力が高い
・根拠のない自信がある
・会社への依存心が高い
・見栄っ張り
Dさん。思い当たること、ありませんか?
「会社説明会に行くだけでも往復の交通費がもらえた時代です。私は地方出身なので東京までの往復の交通費と宿泊費までもらっていました。チヤホヤされていましたね。今の若い人にしてみれば、考えらない待遇ですよ。だだ、大量採用されているため、同期が多く競争も激しいそんな社会人生活を送ってきました。
新卒から営業部に配属されて『自分を売る』というやり方で、人間関係を構築することに、力を注いでいました。コミュニケーションは高いほうだと自分でも思っています。営業能力は人より優れているという自負を含め、自信はあります。『根拠がない自信』と言われれば、それはそうかもしれませんが......。口癖は『できないことにも挑戦しろ!』です。最近は、特にこの言葉が自分より若い世代に響かないことが多く、自分でも浮いているのかなと薄々思っています」
Dさんは、そう話します。さらに......。
「転職という選択肢はなくて、入社した会社でどうやって出世するかを考えていましたね。そこから見栄に繋がっていたんだと思います。結局、私は課長止まりなので、見栄を捨てきれず......。会社に居続けるのはちょっとつらいです。根拠のない自信はありつつも、今さら転職を考えると、『社会における自分の価値はなんだろう』と、自信がなくなってくることもあります。そのため、雇用延長せずに定年で退職しようと思っています」
結局なぜ、オジサンは煙たがられるのか
Dさん、悩んでいますね。バブル世代の特徴は、プラスの面とマイナス面があり、周り(バブル世代以降の方)にマイナス面が大きく映ると、「煙たがられる」度合いが大きくなっていると感じます。
Dさんご自身は、他の世代とのギャップを薄々と感じつつ(本当はすごく感じているのかもしれませんが)も、基本は見栄っ張りというか、強がりなので、相手が言うことが正しいと思っていても、素直に受け入れられない部分があるように思います。
自分を締め付けている考え方や見栄を捨てられないことが結構キツイと思います。バブル世代の特徴のマイナスの部分、呪いのようなものから自らを解放してみましょう。
バブル世代の方々は、もともと競争社会を生き抜いてきた、いろんな厳しい環境を乗り切ってきた方々です。本当にこれまでも頑張ってこられたと思います。
しかし、世間からは「バブル世代の、なぜか給料が高いひと塊」という見られ方することが多いかと思います。そして現在は、残念ながら以前のゴールだった60歳定年はどんどん先送りされ、「果たして定年はいつなんだと」ゴールさえ見えない状態です。
これは、もうDさん一人が手に負える問題ではないようです。それであれば、Dさん。会社の中の個人と考えるのではなく、社会においての一人の人間として自らのことを見直してみてはいかがでしょうか。
自分の人生です。改めて自分はどう生きたいのか、会社から離れた「自分」を退職する前に一度考えてみてはいかがですか。ぜひ今、ご自身の中でつらいと感じること、間違っているかもしれないと思ったことを、そのまま受け入れてみましょう。会社、会社外の誰かと比べるのではなく、見栄なんて捨ててしまいましょうよ。
煙たがられるオジサンだって幸せになりたいですよね。認めたくないことを自分で受け入れた時に、周りからの煙たさがなくなっていくと思いますよ。(ひろ子ママ)