日経平均株価は、絶好調と言っていいかもしれない。2021年に入ってから、すでに2000円を超えて上昇しており、2月12日には年初来高値の2万9650円51銭を付けた。いよいよ3万円が見えてきた。
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、米連邦準備制度理事会(FRB)は景気回復に慎重な姿勢を崩していない。金融緩和策の継続がドルの上値を抑えている。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 3万円の大台を試す
日経平均株価予想レンジ:2万9000円~3万円
2021年2月12日(金)終値 2万9520円07銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、高値圏でのもみ合いか。
前週の日経平均株価は、2週連続の上昇となり、1990年8月以来、30年6か月ぶりに2万9000円台を回復した。米国でのバイデン政権による追加経済対策が成立見込みとなったことで、米国株が上昇したことを好感した。加えて、国内でも大手企業が業績予想を相次いで上方修正したことが材料視された。
今週の日経平均株価は、高値圏でのもみ合いか。堅調な展開が続いていることから、3万円の大台を試す動きもありそうだ。
ただ、株価の上昇スピードも速く、米国の追加経済対策、国内企業の決算発表などのイベントを通過したことで、日経平均株価の上昇材料が乏しくなっている。このため、3万円を抜けていくためには力不足だろう。国内で新型コロナウイルスのワクチン関連で大きな動きがあれば、材料視される可能性があるため注目される。
東京外国為替市場 ドル一方向に進みにくく...
ドル・円予想レンジ:1ドル=103円50銭~106円00銭
2021年2月12日(金)終値 104円93銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、1ドル=105円を巡る攻防か。
前週のドル円相場は、一時1ドル=105円台半ばまでドルが上昇したものの、結局、1ドル=104円台半ばまで押し戻され、その後は1ドル=105円付近での動きとなった。米国でのバイデン政権による追加経済対策が成立見込みとなったことが好感され、ドル買いが優勢になったが、米国の経済指標が市場予想を下回ったことで、ドル買いは伸び悩んだ。
今週のドル円相場は、ドルは1ドル=105円付近での動きとなりそうだ。米国での新型コロナウイルスのワクチン接種の普及と追加経済対策がドルの下支えとなっている一方で、米国の景気回復に対する懸念とFRB(米連邦準備制度理事会)による金融緩和策の継続がドルの上値を抑えており、ドルは一方向に動きにくい状況となっている。
経済指標は、国内では15日に10~12月期GDP(国内総生産)速報値、17日に12月の機械受注、1月の貿易統計、19日に1月の全国消費者物価指数などが予定されている。
海外では、17日に米国の1月の小売売上高と鉱工業生産、設備稼働率、18日に米国の1月の住宅着工件数などが予定されている。
(鷲尾香一)