大手3社、長期契約者多く
NTTドコモの新料金プラン「ahamo」は月額2980円。2021年1月にKDDIが発表した「povo(ポヴォ)」は2480円、ソフトバンクは「SoftBank on LINE(2980円)」を発表しており、大手3社は相互に出方をうかがいながら、値下げプランを用意。いずれもデータ容量20GBで、既存プランからは大幅に値下げを図り、ユーザーの期待に応える道を探っている。
楽天モバイルは20年4月の新規参入から、20GBで月2980円の価格を打ち出しており、大手3社の値下げを受けて、ワンプランから、小容量ユーザー向けに値下げすることを発表している。
大手3社の値下げで利用者意識が変化することも予想されるが、いまのところではどうだろうか――。「携帯電話サービス会社の乗り換え意向」を聞くと、3748人のうち、「乗り換え意向がある」のは22.6%と2割ほど。およそ8割は「乗り換えの意向はない」(2901人=77.4%)と答えた=下図参照。
過熱する値下げ競争とは対照的に、ユーザーは乗り換えに積極的ではないことが示された。
その理由を聞くと、37.5%のユーザーが「手続きが面倒」、32.1%が「今の会社で満足」と答えた。
楽天モバイルや格安SIMのユーザーにとっては、料金の点からは乗り換えに利点はない。また現状で月額料金が「2000円以上4000円未満」のユーザーが最も多い大手3社の利用者は、「10年以上」の長期契約者が6~8割を占めており、料金に満足していないといっても、値下げプランが出たからといって、それとばかりに飛びつく状況にはないようだ。
調査では、大手3社を「契約年数」でみると、「10年以上」の継続利用がNTTドコモで81.5%、KDDIで64.9%、ソフトバンクが57%と、長期優待割引などもあることから、10年以上の継続率が高かった。
なお調査は、2021年1月21~25日に、インターネットで実施。スマートフォン・携帯電話を契約している3748人から回答を得た。回答者の平均年齢は53歳だった。