新型コロナウイルスの感染第3波で、東京都や大阪府、愛知県などの11都府県を対象に再び発出された緊急事態宣言。2021年2月2日には、栃木県を除き、3月7日まで延長された。GO TOキャンペーンの効果などで活発さを取り戻しつつあった経済活動に制限がかかり、政府は飲食店の時短営業などにより営業を受ける事業者らへの支援を進めている。
そうしたなか、帝国データバンクが1月18日~31日に、全国2万3695社を対象に改めて調査(有効回答1万1441社)。業績への影響に警戒感が強まっていることがわかった。
先行きに警戒感「今後マイナスの影響がある」増える
コロナ禍の影響について、「マイナスの影響がある」(「すでにある」と「今後ある」の合計)と答えた企業は78.8%。20年12月と比べて1.1ポイント減。4か月連続で8割を下回った。
しかし、「今後マイナスの影響がある」(13.0%)と答えた企業は、前月より2.3ポイント増え、先行きに対する警戒感がやや高まっていた。
「マイナスの影響がある」とする企業を業種別にみると、「旅館・ホテル」が100%。次いで、「飲食店」(95.4%)、「家具類小売」(93.8%)、「娯楽サービス」(92.2%)と続いた。2度目の緊急事態宣言で観光支援の各種施策の一時停止や、宣言による休業・営業時間短縮で影響が色濃い業種が上位に並んだ=下図参照。
一方「プラスの影響がある」(すでにある」と「今後ある」の合計)と答えた企業は4.3%で、前月とほぼ同じ水準。業種別でみると、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が38.0%と4割近くにのぼり最多だった=下図参照。「飲食料品小売」(23.9%)。飲食店利用が控えられ、その分の増加にともない飲食料品を扱う業種を中心に消費の拡大がうかがえた。