「テラハラ」って、なんだ!?
さまざまな実践策も紹介している。オンライン会議のルール例、一人前に育てるための「シャドーイング」、顧客対応力を高めるための「ロールプレイング」。特に「ロールプレイング」は、オンライン会議システムを使うと効果的に行うことが出来るという。
また、朝礼・昼例などの「顔合わせタイム」、雑談と相談がフラットに出来る「ざっそうタイム」を午後イチに設定して、コミュニケーションを取る機会を増やすことも提案している。
最後に、パワハラ、セクハラ、モラハラなど、テレワークの環境下で起きやすい各種のハラスメントの予防と対処の仕方をまとめている。
特に、新しいハラスメントとして警鐘を鳴らしているのが、「テレハラ」だ。さしたる理由もなくテレワークを強要されたり、逆にオフィスに出社するように強要されたりすることだ。テレワーカーとノンテレワーカーでの評価の差別や情報格差なども含まれる。
自分が加害者にならないためには、部下であるメンバーの状態を把握すること、自分の感情をよくコントロールすること、などを挙げている。
現在テレワーク下で、一部マネジメント業務に当たっている評者にとっても、有益なポイントがいくつも書かれていた。テレワークでも「人は育つ」という著者の強い信念にも心を打たれた。
この「新しい上司の教科書」をマスターしたマネージャーは希少価値が高く、これからの時代に求められる存在になるだろう。
「テレワークで部下を育てる」
片桐あい著
青春出版社
1400円(税別)