厚生労働省の毎月勤労統計調査(従業員5人以上の事業所)によると、2020年の基本給と残業代などを合わせた1人当たり現金給与総額(名目賃金)は31万8299円で、前年比1.2%減だった。2021年2月9日の発表。
なかでも、残業代にあたる所定外給与は1万7352円で12.1%減と大きく減少。厚労省はJ-CASTニュース 会社ウォッチ編集部の取材に、
「これはリーマン・ショックが影響した2009年以来の落ち込みとなりました」
と説明した。
残業代はリーマン・ショック以来の大幅減
1人当たり現金給与総額の減少について、厚労省は
「新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令され、生活関連サービスや飲食業を中心に休業や時短営業が影響した」
と見ている。
減少が大きかった業種をみると、生活関連サービス(33.5%減)や飲食サービス(27.3%減)、製造業(19.5%減)が並ぶ。
また、パートタイム労働者に絞ると、生活関連サービス35.0%減、飲食サービス30.5%減、学術研究28.9%減と続き、パートタイム労働者により影響が出ていることがわかった。
さらに、パートタイム労働者が占める割合は前年比0.39ポイント減の31.14%で、この統計調査を始めた1990年以来で初めて低下した。「増え続けてきたパート労働者にしわ寄せが強かった」と見ている。