IOC声明が本当に伝えたかったことは......
実際、IOCの声明文を全部読みましたが、私が感じたのはIOCの「焦り」でした。森会長の発言に対するコメントは全体の5分の1程度。全体としては、アスリートや理事といったあらゆる立場の女性たちをサポートしてきた、という実例をいくつも並べて「女性の活躍を応援するIOC」の「業績」を必死にアピールしています。
たしかにIOCは女性の活躍を応援してきたのかもしれませんが、そのすべてを覆すような「森発言」の衝撃。取り繕うには「すでに時遅し」ではないでしょうか。
残念ながら、IOCの声明も「火消し」とはならなかったようで、メディアのトーンは日に日に厳しくなっています。
Japanese Olympic leader remains in job despite IOC reprimand over sexist
(日本のオリンピック組織委員会会長は、IOCの女性差別に対する叱責にもかかわらず、辞任していない:米ワシントンポスト紙)
Tokyo Olympics face another problem because of its president
(東京五輪は会長のせいで新しい問題に直面している:AP通信)
Olympics Chief Said Sorry for Demeaning Women. In Japan, That's Often Enough.
(組織委員会の会長が女性差別発言について謝った。日本では「それで十分」となるようだ:米ニューヨークタイムズ紙)