ただ、2021年2月10日には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がニューヨークでオンライン講演を行う予定。景気回復の遅れや雇用への懸念が言及されれば、米国の長期金利は低下し、リスク選好的なドル買い・円売りが縮小する可能性がある。「パウエル発言」には注目だ。
どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 2万9000円台乗せの可能性も
日経平均株価予想レンジ:2万8300円~2万9100円
2021年2月5日(金)終値 2万8779円19銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値を試す展開か。
前週の日経平均株価は、米国株の反発を材料に2週間ぶりに急反発した。前々週に相場の波乱要因となった「ロビンフッター」と呼ばれる米国の個人投資家による投機的な売買に対して、米国当局が調査を始めたこともあり、相場は落ち着きを取り戻した。加えて、米バイデン政権の追加経済対策が実現に向けて動き出していることが好感された。
今週の日経平均株価は、上値を試す展開になりそうだ。2万9000円台乗せの可能性も考えられる。ただ、2万9000円に近付けば、利益確定売りが出てくるため、上値も重くなりそう。企業決算が佳境を迎え、12日には700社以上が発表するため、物色の中心は個別株という図式が続くだろう。
東京外国為替市場 長期金利の大きな上昇は期待薄
ドル・円予想レンジ:1ドル=104円00銭~106円50銭
2021年2月5日(金)終値 105円36銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの高値圏でのもみ合いとなりそうだ。
前週のドル円相場は、米国での新型コロナウイルスへのワクチン接種が進んでいることで、経済活動再開への期待が高まり、米国の長期金利が上昇したことを受けてドル買い・円売りが優勢となり、ドルは一時1ドル=105円後半まで上昇した。
今週のドル円相場は、ドルの高値圏でのもみ合いとなりそうだ。米バイデン政権の追加経済対策が実現に向けて動き出していることや、米国の長期金利の上昇はドルの支援材料となるが、米国の長期金利の動向についてはFRB(米連邦準備制度理事会)の金融緩和姿勢に変化はなく、長期金利の大きな上昇は期待できないだろう。加えて、1ドル=105円台後半では、実需筋のドル売りが見られ、ドルの上値は重くなりそうだ。
経済指標は、国内では8日に12月の国際収支、9日に12月の毎月勤労統計、1月の工作機械受注、12日にオプションSQ(特別清算指数算出日)などが予定されている。
海外では、10日に中国の1月の生産者物価指数と消費者物価指数、米国の1月の消費者物価指数と財政収支などが予定されている。
(鷲尾香一)