上位企業は6割がキャッシュ増加
前回上位20社にランクインしていた企業のうち、コロナ禍で一時休業した東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(前回20位)や、大成建設(同8位)、塩野義製薬(同12位)、バンダイナムコホールディングス(同18位)が上位20社圏外になった。
上位20社にランクインした企業について、前回ランキングでのネットキャッシュを比較したところ、12社(60%)が増加し、8社(40%)で減少する結果になった。
集計企業全体(2282社)を対象にした前回ランキングとのネットキャッシュ比較では、685社(30%)が増加し、1597社(70%)が減少。このように全体ではネットキャッシュ増加企業の割合が30%の一方、上位企業では60%と2倍の水準となっており、上位企業ではネットキャッシュ蓄積を進めている傾向が表れている。
リスクモンスターは、
「経営の3大資源の一つである『カネ』を保有しておくことは、安定した経営を実現するうえで必要。集計企業全体では7割以上でネットキャッシュが減少する厳しい経営状態となっており、昨今の経済情勢下で飲食業や小売業など資金繰り破綻する企業が相次いでいる世の中の状況を反映する結果となった。
一方、トップ20企業においてネットキャッシュが増加している企業は12社と半数を超えていることから、今後の経済情勢も考慮して経営の安定性を高めるための戦略としてネットキャッシュの蓄積を進めている可能性が考えられる」
とみている。
「金持ち企業ランキング」で連続1位になった任天堂は2021年2月1日、2021年3月期の連結業績予想について、従来の3000億円から4000億円(前期比54.7%増)に上方修正を行った。今期2度目の上方修正で、引き続き、2009年3月期の2790億8900万円を12年ぶりに上回り過去最高益を更新する見通しだ。