デキる夫は妻から言われる前に率先して家事をやる
――なるほど。妻から言われる前に率先してやるという態度が重要ですね。ところで、投稿者はともに正社員で、しかも夫婦同額を家に入れるという「対等な関係」です。妻がパートや時短と違って忙しさという点でも2人は同等です。こういう場合の夫婦の家事分担はどうあるべきだと思いますか。
川上さん「普通に考えれば、夫婦の家事分担も対等であって当然なのだと思います。ただ、夫婦には夫婦にしかわからないバランスがあります。料理好きな夫なら自ら料理を買って出て、洗濯物や掃除は妻に任せる、というケースもあります。
対等かどうかという観点だと、家事の時間が同じくらいかとか、食事を作った回数は同じか、といった話になりがちです。しかし、人にはそれぞれ得手不得手があり、負担の感じ方も異なります。大切なのは対等かどうかよりも、夫婦の間で納得感があるかどうかではないかと思います。
――回答者たちは、さまざまな家事分担の方法をアドバイスしています。この中で、川上さんが特にオススメの方法はありますか。
川上さん「投稿者さんのケースであれば、夫には朝できる家事を担当してもらうのが、シンプルでわかりやすい解決策だと思います。朝できることは結構あるはずです。掃除や洗濯はもちろんですが、夕飯の支度であっても、朝のうちから下ごしらえしたり、夕方炊き上がるように炊飯器をセットしたり、作り置きしておいて帰宅後に電子レンジで温めて食べることもできるはずです。
回答者さんからのアドバイスはすべて参考になるし、クイックルワイパーを使うなど、解決策が具体的で素晴らしい。いずれの回答も、基本的に家事の分量を機械的に半々にするということではなく、ご夫婦の間で互いに納得できるラインを見つけるためのアドバイスをされているように思います」
――夫婦で話し合う際に大事なことは何ですか。
川上さん「家事分担に限ったことではありませんが、夫婦のことはまずきちんと話し合うことだと思います。夫がどう考えているかは話してみないとわかりません。今回のケースであれば、できれば夫のほうから『最近、家事をお願いしてばかりになっているからルールを変えない?』と申し出て欲しいところです。しかし、夫側にも仕事で行き詰り、ストレス過多になっているなど、何らかの事情があるかもしれません。だから、ぜひご夫婦で話し合っていただきたいと思います。
夫婦間の家事分担の問題は、得てして夫側の当事者意識欠如が原因である場合が多いです。ご夫婦で話し合う際にも、夫自身が家事の当事者であるという点をはっきりさせるべきです。その上で、お互いにとってどういうバランスがベストかを話し合っていただきたいと思います。また、話し合う際には、ぜひこの記事を夫にも読んでいただくことをお勧めします」
(福田和郎)