自宅のWi-Fiルーターに要注意
リモートワークの通信面で、とくにコロナ禍でクローズアップされたのは「安全性」だ。オフィスでパソコンに向かいインターネットを使って仕事をしているときには、ネットワークがしっかり保護されているのでセキュリティーを意識することなどないが、リモートワークではそれではダメだと相原さんは言う。
「恐らく在宅勤務されている人の多くは、あまりセキュリティーを意識したことがないかと思います。しかし、自宅のWi-Fiルーターを使用している場合には、セキュリティーが甘いと通信内容を傍受されるリスクがあることを知っておきましょう」
自宅から従業員がパソコンを使ったリモートワークをする場合、その数だけ企業システムへの侵入ルートが増える。サイバー犯罪者はそのうちのセキュリティーが甘い突破口を狙っている。セキュリティーが行き届いていないと、勤務先システムへの侵入を許すうえ、自分のパソコンもウイルスに汚染されてしまう。2020年には大手電機メーカーなどが標的になった。
本書によれば、自宅のWi-Fiルーターに関するセキュリティーのリスクの一つは、暗号化方式に弱いこと。暗号化の方式は、WEP、TKIP、AES――の3種類。このうち、WEPは容易に解読できるので、特に仕事で使う場合は要注意という。「最も解読されにくく安全性の高いAESを使うことを強く推奨します」と著者。古いルーターではAESに対応していないこともあるという。そのことを合わせて安全性についても「段取り」が必要だ。
「リモートワーク段取り仕事術」
相原秀哉著
明日香出版社
1500円(税別)