みなさん、こんにちは。丸ノ内ミカです。
2020年は、誰もが予想もしなかったコロナ禍によって、人々の生活様式が大きく変わりました。それに伴い、従来の価値観にも、大きく揺さぶりがかけられています。
2021年は、アフターコロナの新時代。まさしく時代の大きな節目、転換点です。そして、最も大きく変わろうとしているのが「豊かさ」の定義です。
あなたが抱く「豊かさ」とは?
あなたは「豊かさ」と聞いて、何を思い浮かべますか?
モノや金銭的な豊かさでしょうか? それとも社会的なステータスやVIPな人脈でしょうか?
モノや金銭でいうと、ブランド物の洋服やバッグ、靴、高価なジュエリー、あるいは高級なレストランでの食事や、贅沢な旅行などの「ラグジュアリーな体験」も入るかもしれません。定期的にエステに通えたり、ジムでパーソナルトレーニングを受けたりできるといった生活水準もそうですね。都心の高級マンションを所有していることなども入るかもしれません。
また、大手企業に身を置いて、社会的なステータスがある知り合いが多くいたり、VIPな人脈を持っていたりすることも、豊かさにカウントされるかもしれませんね。
「モノ」「お金」「ステータス」「人脈」などを、「豊かさ」の主要なファクターであると重視する人にとって、モノやお金をあまり持っていなかったり、贅沢な食事や旅行の体験に乏しかったり、安い住居に住んでいたり、社会的なステータスに乏しかったりする人たちは、「貧しい」「豊かではない」と認識されがちでした。
丸ノ内サバイバー女子会メンバーのE梨さんも、そんな人たちの価値観でいえば、「ボンビーな女性」に認定されるかもしれません。
40代を目前にして、住まいは家賃5万円の極狭で地下部屋のアパート。仕事は、受験予備校の事務職で、年収は300万円弱。洋服はもっぱらフリマアプリなどでユーズド品を購入。食事はほとんどが自炊。旅行はもっぱらロードバイクでの格安ツーリング。人間関係は、職場の仲間、ご近所づきあいにロードバイクで知り合った気の合う友人など、身近な人たちばかり。典型的な「ボンビー女子」のようです。
「たまに都内の実家に帰省すると、母から『あなたは可哀想』と同情されます(笑)。1歳下の従妹が、外資系金融の男性と結婚して、都心の高級マンションに暮らしてるんですよ。去年、セレブ産院で出産したそうで、叔母経由で従妹の様子を聞くたびに『向こうはあんなに恵まれているのに、あなたは......』って。私自身は自分のことを、ちっとも可哀想って思ってないんですけどね」
そう言って、E梨さんは笑います。
「貧しさ」と「豊かさ」E梨さんのホントの姿は?
確かに、目の前にいるE梨さんからは、「貧しい」とか「プア」な印象は受けません。むしろ、そこはかとなく漂う余裕感からは、「豊か」で「リッチ」な印象すら受けます。いったい、どちらが本当のE梨さん?
彼女から漂う「豊かさ」の正体を探ってみることにしました。
ますは、仕事。一般的に、40歳目前で年収300万円弱というのは、やや心もとない印象です。仕事について、どう考えているのでしょう。すると......。
「私が仕事に一番求めているのは、人間関係なんですね。収入も大事だとは思うんですが、人間関係の良さは代えが利かないものだと思ってて。今の職場はアットホームで、みんな理解し合って、お互いをサポートしているというか。なので、ずっと居着いてます(笑)。ただ、いつまでも職場に置いてもらうような考えはありません。将来的には、ロードバイカー向けのログハウスを作りたいと思ってるので、その開業資金を貯めてます」
E梨さんには、こんなエピソードもありました!
「近所の町内会のお祭りのお手伝いとかもしているので、商店街の方たちにも親しくしていただいていて。町内会の会長さんは魚屋をされてるんですが、お店で余ったカニとかエビとかをくださるんですよ。友達を家に呼んで、その食材で豪華に年越ししたこともあります」
趣味のロードバイクでも......。
「休日はだいたい手持ちのバイクでどこでも行きます。都内って結構坂道が多いので、自転車漕ぐと、筋肉鍛えられますよ。ジムに通う必要ないですね。まとまったお休みが取れたら、ロードバイク仲間たちと一緒に、ツーリングに行きます。今はバイカー向けの安く泊まれるホテルが観光地にあったりするので、お金はそれほどかかりません」
「自分が何に幸せを感じるかじゃないですか」
なるほど。E梨さんから放たれている「豊かさ」が、何なのかが見えてきました。職場、ご近所、趣味の仲間などの信頼できる人間関係を持っていること。安易にモノを買わないで、自分で「自炊&DIY」で創意工夫して生活していける知恵を持っていること。状況に適応できる適応力を持っていること。そして、E梨さんが持っているモノは、どれも金銭に換算不可能な「プライスレス」なモノだったのです。
そうしたプライスレスなモノをたくさん持っているE梨さんは、プアな女性どころか、とても豊かな女性だったワケです。
E梨さんは、こう言います。
「豊かさの定義は人それぞれですから。モノとかお金、ステータスに価値を感じるのも、全然アリだと思いますよ。そういう暮らしを送りたいっていうのが頑張る原動力になるなら、それも素敵だと思いますし。要は自分が何に幸せを感じるかじゃないですかね。あえて言うなら、『幸福感が高い人』がリッチな人なんだと思います」
もうおわかりですね。
「豊かさ」の定義は、人によって変わります。モノやステータスを豊かさの指標にする人もいれば、目に見えないものを豊かさの要素にする人もいます。本当に「豊かな人」というのは、時代や風潮、他人の価値観に振り回されず、自分の中に揺るぎない「豊かさの軸」を持っている人のことなのかもしれません。
【きょうの格言】2021年、あなた自身の「豊かさの軸」を持ちましょう!
それでは、また次回。(丸ノ内ミカ)