「銀座クラブ」追及が甘い野党はブーメランが怖い
さて、コロナの感染状況の改善には国民の協力が欠かせない。しかし、最悪の事態が飛び込んで来た。国民に自粛を迫る緊急事態宣言下で、与党・自民党の松本純、大塚高司、田野瀬太道の3衆院議員と、公明党の遠山清彦衆院議員が銀座のクラブで豪遊していたのである。
朝日新聞(2月3日付)「深夜クラブ問題『国民の協力得られるのか』首相、批判受け陳謝」が国会で、みじめに頭を下げる菅首相の姿をこう報じる。
「立憲民主党の青柳陽一郎氏は『多くの国民が、怒りを越えて呆れてしまっている』、また共産党の塩川鉄也氏は、首相自身が昨年12月に二階俊博幹事長ら8人と銀座で会食したことを踏まえ、『自身の会食への処分はなく、おわびだけだ』と迫った。首相は『緊急事態宣言ではなく、当時は午後10時まで許された』と弁明する一方、『大いに反省している』と陳謝した」
ところで、「銀座クラブ問題」では公明党は遠山清彦氏を議員辞職させたが、自民党は3人の衆院議員を離党処分にしただけだった。なぜ甘い処分になったのか。読売新聞(2月3日付)「首相『夜の銀座』謝罪 自民、離党で幕引き狙う」がこう明かしている。
「(3議員の不祥事には)自民党内でも『論外だ』(二階幹事長)と厳しい声が多いが、議員辞職は避けたいのが本音だ。3人が辞職すれば、4月25日に補選が行われる。苦戦が予想される参院長野選挙区と、与党が不戦敗を選んだ衆院北海道2区の両補選と重なれば、『政権へのダメージがさらに大きくなる』(党関係者)との懸念があるからだ」
というわけだ。
そして共産党を除き、野党側からも特に3人に辞職を求める動きがなかったことを、読売新聞はこう説明する。
「一方で、野党側でも議員辞職を求める雰囲気は高まっていない。『野党議員にも同様の問題が発覚した時、ブーメランとして返ってくるのが心配だ』(立憲民主党中堅)との声も漏れてくる」
というのだ。野党にも銀座クラブの常連が少なくないということか。
(福田和郎)