遠のくドイツの春 安くない医療用マスク義務化で生活者にのしかかる負担(神木桃子)

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   あの日から1年。

   ドイツで最初に新型コロナウイルスの患者が報告されたのは、昨年(2020年)の1月27日でした。その時には予想すらできなかった暮らしの中に、現在、身を置いている私たち。光を求めて長いトンネルを進む日々が続いています。

  • 多くの店が閉まって人通りの減った目抜き通り。食料品や生活必需品を販売する店舗以外の商店は閉鎖。飲食店はデリバリーか持ち帰りサービスのみ可能なので、営業しない店舗も多い。(筆者撮影)
    多くの店が閉まって人通りの減った目抜き通り。食料品や生活必需品を販売する店舗以外の商店は閉鎖。飲食店はデリバリーか持ち帰りサービスのみ可能なので、営業しない店舗も多い。(筆者撮影)
  • 多くの店が閉まって人通りの減った目抜き通り。食料品や生活必需品を販売する店舗以外の商店は閉鎖。飲食店はデリバリーか持ち帰りサービスのみ可能なので、営業しない店舗も多い。(筆者撮影)

ロックダウンはバレンタインまで延長

   昨秋以降、部分的な制限措置に留める「ソフト」ロックダウンで経済活動と感染防止の両立を図っていたドイツ。しかし、感染の勢いは止められず、1日の新規感染者数が3万人を超えるほどに拡大。12月中旬には制限措置をさらに強化したハードロックダウンに踏み切りました。

スーパーで買い物する際には医療用マスクの着用が義務付け(筆者撮影)
スーパーで買い物する際には医療用マスクの着用が義務付け(筆者撮影)

   そして年が明けた2021年。「ハード」ロックダウンによって新規感染者数が減少に転じつつも、ドイツ国内では変異種の感染報告が相次ぐことに。当初は1月10日までだった制限措置が1月末まで延長されたかと思ったら、すぐに2月14日までの延長が決定。12月末から接種が始まったワクチンの供給量には限りがあり、短期での状況の改善は見込めないことに加え、変異種への懸念が高いことなどを受け、医療用マスクの着用義務などの追加措置を加えたさらなる強化策となりました。

   ハードロックダウンの延長を繰り返し、さらに制限が強化され、一体どこまで続くのか。今の状況を指して、「メガ」ロックダウンなんて表現も飛び交っています。

高橋 萌(たかはし・めぐみ)
高橋 萌(たかはし・めぐみ)
ドイツ在住ライター
2007年ドイツへ渡り、ドイツ国際平和村で1年間の住み込みボランティア。その後、現地発行の日本語フリーペーパー「ドイツニュースダイジェスト」に勤めた。元編集長。ドイツ大使館ブログでは「ドイツ・ワークスタイル研究室」を担当。サッカー・ブンデスリーガ大好き。日本人夫とバイリンガル育児に奮闘中。
Twitter: @imim5636
神木桃子(こうぎ・ももこ)
神木桃子(こうぎ・ももこ)
ドイツ在住ライター
島根県生まれ、東京・多摩育ち。物事の成り立ちを知りたいと大学では有機化学を専攻。小売業界でのオーガニック製品や地域産品のバイヤーを経て、2014年よりドイツに移住。「もっと心地よくグリーンな暮らしへ」をテーマに、ドイツのマーケット情報やトレンド、ライフスタイルについて執筆活動中。3歳になる娘と日本人の夫との3人暮らし。
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