2020年の「休廃業」は過去最多 じつはコロナ禍が最大要因ではなかった?

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社歴の浅い企業の「休廃業」が目立つ

   このデータを裏付けるように、「休廃業企業」を業歴別で比較すると、「10年以上20年未満」が21.6%で最多だった。次いで「20年以上30年未満」が「15.5%」。逆に「100年以上」という長寿企業は0.03%にとどまった。

   「業歴20年」未満は49.4%で、前年の48.2%より1.2ポイント増加。100年以上の比率が減少し、業歴の浅い企業の比率が相対的に高まっている。このため、開業支援だけでなく、スタートアップ間もない企業への支援強化も必要になっているようだ。

   一方、「休廃業」した企業の代表者の年齢別(判明分)をみると、70代が最多で41.7%だった。次いで、60代の24.5%、80代以上の17.9%と続き、60代以上が84.2%を占めた。 60代の構成比は前年比3.0ポイント減少したが、60歳以上の構成比が前年より0.7ポイント増加した=下表参照

   担当者は、

「高齢者の休廃業は、ある意味で『国全体の病み』とも言える」

と分析。引き続き、深刻な後継者不足の状況に変わりはない。

   ただ、承継支援への取り組み強化もあり、60代の事業承継が進んでいる。その半面、経営者が70歳以上の企業への支援が行き届かず、効果に差が生じている可能性がある。

   産業別でみると、コロナ禍の影響はくっきり。最も多かったのは飲食業や宿泊業、非営利的団体などを含むサービス業他の1万5624件で、前年比17.9%増えた。全体の約3割を占めた。

   また、休廃業・解散した企業の従業員数(判明分)は、12万6550人で前年比26.4%増。2年ぶりに増加した。事業譲渡に伴う休廃業や解散もあり、すべての従業員が失業したわけではないが、休廃業・解散で12万人超が勤務先の変更や離職を余儀なくされたことになる。

   なお調査は、東京商工リサーチが保有する企業データベースから「休廃業・解散」が判明した企業を抽出した。

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